人参の育て方とコツ|発芽を揃えて初期の生育をスムーズに進めよう

スポンサーリンク

収穫した人参

(カロテンを豊富に含む緑黄色野菜の代表格)

栄養が豊富で緑黄色野菜の代表格ともいえる人参。アフガニスタンが原産地で、細長い東洋種と短い西洋種に大別されるが、人気があるのは育てやすい西洋種です。

家庭菜園で育てた、収穫したての人参の香りは格別で、スーパーなどの人参とは別物です。また、葉も天麩羅などにして、余すことなく楽しむことができます。

人参の栄養

人参は根、葉ともにカロテンの含有量がずば抜けて多く、体内でビタミンAに転換され、眼や肌の健康を維持する効果があります。その他にも、糖質、食物繊維、カルシウム、カリウムも多く含まれます。

人参の栽培

人参は根の長さによって三寸人参、四寸人参、五寸人参、それ以上に長い大長人参に分けられ、ソーセージ型のミニニンジンなど、楽しい品種も増えてきました。

また、三寸は栽培時期が短く、五寸は栽培期間が長いという特徴を生かして同時に種まきをすれば、三寸は早くから収穫ができ、三寸から五寸に引き継いで長く収穫することができます。

春に種をまいて初夏に収穫することもできますが、初心者には夏まきが育てやすくておすすめです。

人参の育てやすい品種

黒田五寸、向陽二号、ベーターリッチ、Dr.カロテン5、ひとみ五寸など。

人参のおすすめ品種【西洋種・東洋種・ミニなど】

人参の育て方

栽培中の人参

人参の育て方のコツ

  • 育てやすい品種を選ぶ。
  • コーディング処理された種子でマルチ栽培を採用する。
  • 種まき前に石などの障害物をよく取り除いておく(岐根防止)。
  • 種まき前に土を十分湿らせておく。
  • 好光性種子のため、種の上に土や藁などを厚く被せない。
  • 種まき後は水やりをして土が乾かないようにする。
  • 生育初期は雑草をこまめに抜く。
  • 間隔が狭いと太りがよくないため、間引きをしっかり行う。
  • 早めに収穫を行う(裂根や腐敗防止)

人参の栽培時期

人参の栽培時期

※品種や地域によって栽培時期は異なります。事前に確認してください。

春に種をまいて夏に収穫することもできますが、初心者には夏まきの方が簡単でおすすめです。

畑の準備をする

種まきの2週間前までに苦土石灰と堆肥を入れて耕し、1週間前までに元肥を入れて耕し、畝を立てておきます。この時、人参は根が石などにあたると岐根(またね)になりますので、障害物を良く取り除きます。

人参の種まきは一般的に「すじまき」であることや、発芽しにくいため、マルチを採用しにくい作物ですが、マルチをすじ条にカットするか、点まきにし、さらにコーディング処理された発芽しやすい種子を使用することで、マルチ栽培が可能になり、保温・保湿、雑草の抑制の効果が得られます。

すじまきできるマルチ

種をまく

1m幅の畝ではまき溝を3列掘り、約5cm間隔でペレット種子を1粒か2粒ずつまく、土は薄く(5mm~1cm程度)被せ、手のひらで軽く押さえて土と種を密着させます。種が流れないように静かにたっぷりと水をやり、適湿を保つためにもみ殻や藁を薄くかけます。

人参の種は好光性で発芽に光を必要とするため、土や藁などを厚く被せすぎると発芽の妨げになります。また、土が乾燥していても発芽しないので、藁の上から水やりをして乾燥しないように注意します。

[種まきでのポイント]

  • 種まきしやすくて発芽しやすいペレット種子を使用する。
  • 種が好光性であるため、種の上の土は薄めにかける。
  • 乾燥すると発芽しないため、こまめに水やりをして土が乾燥しないようにする。

種まきの間隔

適湿を保つためにくん炭を使用

(適湿を保つためにくん炭を使用)

人参を上手に発芽させよう

害虫対策

夏まきでは、発芽直後にコオロギなどによって若芽を食害される恐れがあるため、種まき直後から防虫ネットを張って対策を施します。この時、コオロギが入れないように裾をしっかりと土で埋めましょう。

その後も、防虫ネットはキアゲハの幼虫などの害虫の防除になりますので、引き続きネットは張ったままにしておきます。

間引きをする

人参の間引き

発芽して葉が混み合ってきたころ、株同士の葉が触れないように間引きをします。生育の悪いものや色の悪い株を抜き、葉の根元が太いものを残します。最終的に株間が10cmになるように間引きます。

間引きした人参の葉は、柔らかく食べやすく、高い栄養価を含んでいるので捨てずに食べましょう。

混み合ってきた人参

間引きした人参

(間引きした人参)

追肥と土寄せをする

間引きをしたら、追肥を行い、根の肩が隠れるように土寄せをします。また、雑草が多いと生育が悪くなるので、その時に雑草取りも行います

キアゲハの幼虫に注意

人参にはほとんど害虫は発生しませんが、防虫ネットをしていない場合、キアゲハが卵を産みつけ、幼虫が葉を食害します。

多少は葉を食害されても収穫に問題はありませんが、発見が遅れて駆除せずにいると、葉を食い荒らされて葉脈だけにされてしまいます。

見つけたら直ちに取り除きます。

収穫する

収穫時期の日数による目安は、三寸人参で発芽から60日~90日、五寸人参は90日~120日くらいです。

人参の肩がはってきたころから間引きして大きさをチェックし、五寸人参では根の長さが15cmくらいになっていたら収穫適期です。

収穫方法は、株元をしっかり持って上方にまっすぐ引き抜きます。

収穫した人参

人参は植え替えられない

小松菜やホウレンソウなどは、欠株した部分に多く芽が出た部分の株を植え替えて揃いをよくすることができますが、人参は植え替えることができません。また、苗を作ることもできません。

その理由は、人参は直根といって、根がまっすぐ地中深くへと伸びて生育する野菜だからです。

発芽後に植え替えると根が切れてしまい、岐根(尻づまりになって細い根がたくさん出る)になってしまいます。

人参の主な生理障害【岐根(またね)・裂根】

土中に小石や未熟な有機物、化成肥料などが入っていて、主根が伸びるときにあたって障害を受けたり、センチュウによって主根に被害を受けると、根の先が枝分かれになります(岐根)。

収穫適期を過ぎて長く畑に置いておいたり、根の生育初期に土壌の乾燥によって組織が老化したり、生育後期に水分が多すぎると、根が割れます(裂根)。

人参の根が「分かれてしまう」のを防ぐ【岐根(またね)の原因・対策】
人参の根が「割れてしまう」のを防ぐ【裂根の原因・対策】

肩の部分が緑色になってしまう

人参は肩の部分に光があたると緑色になり、やや硬くなってしまいます。

食べても問題ないので家庭菜園では気にすることはありませんが、対策としては、最後の間引きのときに株元に土寄せを行います。

このとき、土を寄せすぎて葉のつけ根が埋まると生育が悪くなってしまうので、丁寧に行います。

また、品種によっては緑色になりにくいものがあります。

土の中に埋めて長期保存

収穫せずに年を越して畑に長く置いておくと、根が割れたり腐敗したりします。

すぐに使わないときは、いったん抜いて葉をつけ根から切り取り(葉がついていると老化する)、泥がついたまま、もとの深さで斜めに埋めておきます。

生長が止まって割れずにすみ、2月ごろまで保存できます。

3寸と5寸を組み合わせて長く収穫

人参は一度にたくさん利用することがあまりないので、種まきをずらして長く収穫したいところですが、種まき適期の期間が短いため、どうしても一度にたくさんできてしまいます。

そこで、生育期間の短い3寸人参と、生育期間の長い5寸人参を組み合わせて、収穫時期をずらします。

3寸と5寸人参を同時に種まきし、生育期間の短い3寸から収穫を始め、収穫が終わるころに5寸の収穫がちょうど始まるように種まきの量を調整しておくことで、長く収穫することができます。

スポンサーリンク