知っておきたいマルチの種類と効果

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マルチを張った畝

土の表面を有機物やポリエチレンフィルムなどで覆うことを総称してマルチ(またはマルチング)と呼びます。

マルチには、地温を上げたり、逆に地温が上がりすぎるのを防止したり、土の乾燥を防いだり、雑草を抑制したり、泥はねを防ぐなど、さまざまな効果があります。

マルチには、色や材質、穴のあるなしによって、さまざまな効果があります。

季節や用途に応じて使い分けましょう。

マルチの効果

マルチにはさまざまな効果があり、中でも保湿や保温の効果は良く知られていますが、そのほかにも優れた効果が沢山あります。

[雨による泥はね防止]
土壌中には、ウィルスや細菌などの病原菌が多く存在しており、大雨などによって泥がはね、野菜の葉に付着すると菌に感染するとがあります。
マルチをすることで土に雨が直接当たらなくなるので、泥はねを防ぐことができます。

[雨によって土が硬くなるのを防ぐ]
せっかく耕してふかふかにした土でも、そのままにしておくと、やがて硬くなってしまいます。土が硬くなる原因は、雨にあたるからです。
つまり、畝に直接雨があたらないようにマルチをすることで、ふかふかの状態を保つことができます。

[アブラムシの防除]
ウィルス病を媒介する厄介なアブラムシ。
キラキラした光を嫌う特性があることから、光を反射する色のフィルムを使用すると効果的です。
これにより、アブラムシの発生を遅らせたり、ウィルス病の発生を軽減することができます。
特に、銀色のポリエチレンフィルムが効果的です。

[土が硬くなるのを防ぐ]
雨が降って土が硬くなることを防ぎます。

[土壌浸食の防止]
せっかく排水を良くするために高く畝を立てても、雨や強風によって土が削られ、徐々に低くなってしまいます。
マルチをすることで、雨や風から畝が守られ、土の流出を防ぐことができます。

[肥料・養分流出の防止]
肥料を施しても雨などによって水に溶解し、約半分は畝から流出してしまうと言われています。
また、流出した肥料成分はやがて川へと流れてしまうため、環境にも良くありません。
マルチをすることによって畝に雨があたらなり、成分が溶け出すことを軽減することができます。

[雑草を防ぐ]
黒マルチなど光を通さないものをかけると、雑草が生えるのを防ぎます。

[保温効果]
透明のマルチは保温効果があり、黒マルチは真夏の地温上昇を防ぎます。

[保湿効果]
余分な水分の蒸発が抑えられ、保湿効果があります。

マルチフィルムの色による効果

地温を上げる効果:(低い)白→銀→黒→緑→透明(高い)

雑草の抑制効果:(低い)透明→緑→黒(高い)

[黒マルチ]
黒マルチ
黒色のマルチです。
防寒、防虫効果があります。
光を通さないため、雑草の抑制にもなります。
安価なため、一般的に使用されるマルチフィルムです。

[銀黒ダブルマルチ]
銀黒ダブルマルチ
表面が銀色で、裏が黒のダブルマルチです。
反射性が高く、アブラムシを防除する効果が特徴です。
アブラムシの付きやすいソラマメの栽培などに効果的です。

[白黒ダブルマルチ]
白黒ダブルマルチ
表面が白色で、裏が黒のダブルマルチ。
地温が上がりすぎないのが特徴です。
夏場の高温気に効果的です。

[透明マルチ]
透明マルチ
地温の上昇が最も高いのが特徴です。
春先に使用します。
透明で光を通すため、雑草は生えます。

[穴あきマルチ]
最初から穴があいているマルチです。

株間の狭い野菜には9515の穴あきマルチが便利

9515マルチ

マルチには穴のないものと最初から穴のあいているものがあり、穴のあいているものを穴あきマルチといいます。

最初から穴のあいているものにはさまざまな規格がありますが、この中で9515の規格のマルチがおすすめです。

9515とは、マルチの幅が95cm、列数が5、株間が15cmのマルチです。

タマネギ、ホウレンソウ、小松菜、ニンジン、チンゲンサイ、ニンニク、ミズナ、小カブなどの栽培に適しています。

穴をたくさんあけるのは手間がかかるので、株間の狭い野菜の栽培には9515のマルチを使用するのがよいでしょう。

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