プランターで野菜を育てるには、狭いスペースで栽培するため、支柱やネットへの「誘引(ゆういん)」、わき芽を小さいうちに摘みとる「わき芽かき」、種子の先端を摘みとる「摘心(てきしん)」などの整枝(せいし)作業がとても重要です。
とくに夏野は葉が大きく茂り、日当たりや風通しが収穫量に大きく影響するため、整枝をして株全体に日が当たるようにします。
また、つる性の野菜では、つるを誘引して広い範囲で栽培したり、背の高くなる野菜は茎を支柱に誘引します。実もの野菜では、あえて実の数を減らして、残した実に養分を集中させる摘果の作業を行います。
野菜ごとにこれらの作業のポイントが異なります。それぞれの野菜の育て方を確認しながら、適した時期に適した方法で行いましょう。
摘芯
摘芯は、高さを制限するだけでなく、わき芽や子づるの発生を促す目的もあります。
例えば枝豆は、本葉が5~6枚のときに上部の芽を摘みとると、脇芽の発生が促されて莢の付きが良くなります。
このように、野菜によっては摘芯した方が収量が増えることもあります。
摘芯する・しない、摘芯の方法やタイミングは野菜によって異なります。それぞれの野菜の育て方を参考に行ってください。
誘引
支柱やネットにつるや茎を誘引して、効率よく管理や収穫ができるようにします。
トマトやナスなどの支柱に絡みつかない野菜は、茎が伸びるにつれて早めに支柱に誘引する必要があります。
摘葉
黄色く変色した下葉は、そのままにしておくと病気の原因になるので早めに取り除きます。
また、葉が重なり合ったり、葉が込みあったところは風通しが悪くなるので、取り除いて葉に日が当たるようにします。
わき芽かき
不用なわき芽をそのまま放置して伸ばしてしまうと、株全体の生育が遅くなったり、葉が茂りすぎて風通しが悪くなって病気が発生しやすくなるなど、悪い影響が出ます。
そこで、不要なわき芽は小さいうちに摘みとってしまうのが基本です。
芽かき
ジャガイモなどでは、種芋から何本もの芽が発生します。そのまま生育させてしまうと、栽培密度が狭くなって芋が小さくなります。
大きな芋を収穫するために、芽を2~3本だけ残し、不要な芽はかきとります。
摘果
実が大きくなるメロンやスイカなどは、実の数を減らして残した実に養分を集中させます。
摘果しないと養分が分散して、すべての実が小さなものになってしまいます。
同様に、大玉トマトでは、形の悪い玉を取り除いて1房あたり4~5個に調整したり、トウモロコシでは、一番大きな雌穂を残してほかは取り除くなど、野菜によって摘果を行います。
切り戻し
病害虫に侵されたり、老化してしまった茎や葉を取り除き、新しい葉の生育を促す作業が切り戻しです。
例えばナスでは、7月下旬~8月上旬ごろ、株の1/3~1/2をばっさり切り戻して追肥を施します。この切り戻し作業を更新剪定といって、一か月ほどすると新しい枝が伸びて、秋には再び良質な実がとれるようになります。
野菜別の整枝
[大玉トマト]
大玉トマトはわき芽をすべて摘み取って1本仕立てにするのが一般的です。
[カボチャ]
本葉が7~8枚になったら、つるの先端を摘み取り、子づるの発生を促します。
子づるが伸びてきたら、生育のよい2本を残し、ほかの子づるはすべて取り除きます。
[スイカ]
本葉5~6枚になってつるが伸びはじめたころ、親づるの先端を摘み取ります。
[キュウリ]
下の方の子づるは込み合わないようにかき取り、その上の子づる、孫づるは本葉2枚を残して摘芯します。