「とりあえず、野菜を育ててみよう!」がよくある失敗のパターンです。
限られたスペースのプランター栽培を有効に利用するには、計画的なプランが必要で、きちんとステップを踏んでいくことがとっても大切です。
育てたい野菜の種類、種まき時期や植えつけ時期、生育期間などの適性をしっかり調べ、一年の計画を立てましょう。
置き場所を考えよう
日がよく当たる場所さえあれば気軽に楽しめるプランター栽培ですが、ちょっとした工夫でもっとやりやすくなったり、野菜によい環境をつくることができます。
プランターをたくさん置いてしまう前に、プランをしっかり立てましょう。
[南側]
南側では、日あたりがよく、野菜もよく育つでしょう。
ただし、真夏は日差しが強く、気温が上がりやすいので、プランターの下にすのこやレンガを敷いて地面からの熱を遮ったり、よしずや遮光ネットで日差しを遮るなど、対策が必要です。
プランターは土が乾燥しやすいので、こまめに水を与えましょう。
[東(または西)側]
東側では、南側に比べて日照時間が短くなります。
そこでは、ホウレンソウ、小松菜、レタスなど、日照時間が短くても育つ野菜を育てます。
秋から冬はとくに日照時間が短くなるので、少しでも長く日の当たるところにプランターを置きます。
[北側]
北側では、とくに日当たりが悪く、厳しい環境になります。
そこでは、ミツバ、ミョウガ、ニラなど、あまり日が当たらない場所でも育つ野菜を育てます。
野菜選びのポイント
野菜には栽培に適した時期があります。さらに同じ野菜でも、品種によって栽培の時期が異なるものがあります。
地域での栽培時期の気候にあった品種を選びましょう。
また、野菜は種をまけばあとはかんたんに育つというわけにはいきません。
種をまいたあとに水やりや仕立てなど欠かせない日々の手入れ、収穫や片付けなどの作業もありますから、自分がどれだけ世話をかけられるかの頻度によって、育てる野菜の種類を選ぶことも大切です。
プランターを利用する菜園では、根を張らせる土の量がどうしても少なくなりますから、はじめは葉もの野菜などの小物を中心につくるとよいでしょう。
プランター栽培プランのポイント
プランター栽培でとれた野菜は、自分の家で食べるものですから、同じものが一度に多く収穫できるのも困ります。
しかし、たくさんの種類を多く育てようとすると、プランターがたくさん必要になり、広い場所が必要になります。
そこで、プランターは手入れのできる範囲の数として、少しずつ、多くの種類の野菜を混植(寄せ植え)して育てるのがおすすめです。
庭の広さや管理できる家族の人数にもよりますが、大型のプランターが3つあればじゅうぶんでしょう。
大型のプランター1つにトマト、ナス、ピーマンなどの株が大きくなる野菜を1本育てて、2つのプランターで葉もの野菜などの小物の野菜を混植して育てれば、あまり手間もかからず、けっこう楽しめます。
思うままに野菜を増やしていくと、すぐにスペースがいっぱいになってしまいますので、計画的にプランターを活用しましょう。
混植(寄せ植え)でプランター栽培を楽しみましょう
いくつもの野菜を1つのプランターで育てる方法を、混植(寄せ植え)といいます。
大型のプランターを使用しますが、小さいプランターをたくさん並べるよりも水やりなどの手間がかからず、狭いスペースでもたくさんの種類が楽しめます。
また、野菜と野菜のよい組み合わせがあります。
異なる種類の野菜を一緒に植えることで、お互いに助け合ってよい影響を与え、よく育つ組み合わせです。
たとえば、小松菜、チンゲンサイ、ルッコラなどのアブラナ科の野菜には、レタスを混植すると害虫の被害が抑えられます。
ほかに、ナスとパセリ、トマトとニラ、人参とカブ、ウリ科とネギなど、相性がよいとされる様々な組み合わせがあります。
ただし、野菜は背の高いものと低いもの、水を好むものと好まないもの、肥料が多いほうがよいものとそうでないものなど、性質はさまざまです。性質の近いものを一緒に植えるようにしましょう。
プランターでいろいろ育てて試して、自分流のやり方を見つけるとよいでしょう。