プランターで野菜を育てるうえで、もっとも大切なのは、よい土を選ぶことです。
野菜は土の中に根を伸ばし、倒れないように株を支えています。
さらに、根から水分や養分を吸収し、茎や葉、花や実を形成します。
つまり、野菜が元気に育つには、根がしっかり張り、水分や養分をスムーズに吸収できるよい土が必要です。
その条件を満たすようにあらかじめブレンドされたものが、培養土と呼ばれる土です。
よい土であれば、野菜は元気にすくすく育ちます。
プランター栽培に適した土
野菜の多くは、同じ土で何度も野菜を栽培すると、生育が悪くなる連作障害を起こします。
畑の場合は輪作や土の消毒などで対処しますが、プランターで野菜を育てる場合、新しい土を用意するだけですみます。
よい土とは
- 水はけと通気性がよい
- 水もち(保水力)と保肥力がある
- 土の酸度が適正である
- 肥料分に富んでるいる
- 病原菌や害虫に侵されていない
[水はけと通気性]
水はけがよいと、水やりをしても根腐れする心配がありません。
[水もちと保肥力]
プランターでは乾燥しやすいので、水もちが必要です。
水やりするために肥料も抜けやすいので、保肥力も必要です。
野菜が好む酸度とは
野菜にとって土の酸度も重要です。
土の酸度は、酸性、アルカリ性、中生に分けられ、ほとんどの野菜は弱酸性(pH5.5~6.5)を好みます。
よって、プランターで野菜をつくるには、極端に酸性やアルカリ性に傾いていない土が好ましいといえます。
[酸性の場合]
石灰分を補給します。マグネシウムを含む苦土石灰がおすすめです。
[アルカリ性の場合]
酸性資材を入れるか、有機質を入れます。
便利な市販の培養土
プランターで野菜を育てるには、市販の野菜用と書かれた培養土を使うのが手軽です。
多くの野菜の栽培に適するように、腐葉土や赤玉土など、単品の土や肥料がすでにブレンドされているので、初心者でも失敗せずに育てることができます。
いろいろな土や肥料がバランスよく配合されていて、水はけや通気性に優れています。
ほとんどのものは元肥が入っているので、種まきや植えつけ時にとくに肥料を混ぜる必要はありません。
手を加えずにすぐに利用でき、使う量だけ購入できるので便利です。
ただし、市販の培養土は品質がまちまちです。
きょくたんに安いものや、野菜専用でないものは避けましょう。
培養土を選ぶ際は、袋の表示を確認し、原材料や用途、酸度調整済みや肥料の配合の有無などもチェックしましょう。
自分で土をつくるには
赤玉土(60%)、腐葉土(20%)や堆肥(20%)、元肥を入れて混ぜ込んでつくります。
どれもホームセンターや園芸店で購入できます。腐葉土や堆肥はしっかり醗酵したものを選びましょう。
[赤玉土]
関東ローム層の火山灰土の下にある土です。
大粒、中粒、小粒のものがあり、有機成分は含んでいません。
通気性がよく、保水性に優れ、鉢植えなどにもよく用いられる土です。
[腐葉土]
広葉樹の落葉を集めて腐敗させた土です。
適度の湿り気があり、排水性、保肥性に優れています。
[堆肥]
落葉やワラなどを微生物の力で分化し、醗酵させたものです。
保水性、保肥性を高める働きがあります。
使った土の再生方法
野菜を栽培したあとの土は、使い捨てずに何度も利用しましょう。
ただし、同じ土で何度も野菜をつくり続けると、雑菌や害虫が増え、病気の原因になります。
使用した土は、夏に天日干しして熱殺菌します。
1.夏の晴れた日に、栽培が終わった土を大きめの透明のポリ袋に入れ、全体が湿る程度に水を注ぎます。
2.袋の口をしっかり閉め、日が当たる場所に1週間置きます。
3.シートの上に熱消毒した土を広げて乾燥させます。
4.土が乾いたら、粗い目のふるいにかけてゴミを取り除きます。
5.堆肥や元肥を加えて混ぜます。
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使い終わった土は捨てずに再利用しよう
手軽に土を再生するには
手間をかけずに土を再生したいという人は、使用した土に混ぜるだけのリサイクル剤を利用してもよいでしょう。
リサイクル剤にはさまざまな商品がありますので、効果や使用方法をよく確認してください。