暑さに強くてビタミンCがいっぱいのゴーヤ。
沖縄の家庭料理でよく知られるゴーヤチャンプルは、ゴーヤと豆腐をいためたものです。
特徴はなんといっても独特の苦みで、この苦味成分はモモルデシンといい、胃液の分泌を促進して食欲を増進してくれます。
ゴーヤはつる性の野菜なので、垣根や壁、ネットなどに這わせて育てます。
暑さに強く、乾燥にも強く、病気にも強く、栄養豊富な健康野菜で、プランターで育てるのにぴったりな野菜です。
身近な場所で成長を観察でき、その収穫を楽しむのももちろんですが、部屋の温度を下げて涼しく過ごす「グリーンカーテン」にゴーヤは最適です。
近ごろは学校などでのゴーヤ栽培がさかんに行われています。
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ゴーヤ(ニガウリ)の育て方(畑)
目次
栽培カレンダー
ゴーヤは寒さに弱いので、早植えしないように注意しましょう。
栽培メモ
- 科名
- ウリ科・ツルレイシ属
- 別名
- レイシ、ツルレイシ、ニガウリ、ニガゴリ、ニガゴイ、ゴーヤー、トーグリ
- 難易度
- ふつう
- 置き場所
- 日当たりのよい場所
- 背丈
- 2m以上(ネットの高さによる)
- 種?苗?
- 苗から育てる
- 生育適温
- 20~30度
- 追肥
- 植えつけの約2週間後から、2週間に1回
- 病害虫
- 病気:うどんこ病など
害虫:アブラムシ、ハダニ、ハモグリバエなど
栽培のコツ!
- 寒さに弱いので早植えしない。
- ネットや支柱につるを誘引する。
- 本葉7~8枚で摘芯する。
- 追肥をしっかり行う。
しっかりとしたゴーヤカーテンを作るコツ
[水を切らさない]
気温が高くなると、葉が盛んに水分を蒸散するため、水切れは禁物です。
夏場は乾燥を防ぐためにわらなどを敷き、朝と夕方に水やりをしっかりと行います。
[肥料を切らさない]
苗を植えつけて約2週間したら追肥を開始します。
2週間に1回のペースで与えます。
肥料が切れると下葉から枯れてくるので注意します。
[摘芯を行う]
本葉7~8枚のころ、親づるの先端を摘みとって子づるを伸ばします。
[花を間引く]
ゴーヤは同じ株に雌花と雄花が咲きます。
葉を多く茂らせたい場合は、雌花を摘んで株を疲れさせないようにしましょう。
雌花を間引くことで栄養が葉やツルに送られ、葉がよく茂ります。
[すき間にツルを絡ませる]
ゴーヤはツルが四方に広がりますが、手をかけないとカーテンにすき間ができてしまいます。
隙間のないカーテンを作るには、混み合ったところのツルを隙間に誘引します。
[ネットはしっかり張る]
大きく育つとかなりの重さになります。
重さに耐えられず落下してしまうこともあるので、しっかりとしたネットを張りましょう。
品種
短果種(短い)、長実種(長い)、こぶ状の突起のあるもの、ないもの、果皮が緑色のものと白色のものがあります。
[短果種]
実の長さは15~25cm程度で太く、果皮は緑色や白色のものがあります。
[長実種]
実の長さは30~40cm程度で細く、果皮は濃い緑色をしています。
準備するもの
48Lのプランター、種、培養土(14L×2)、鉢底石(0.5L×15)、ラベル、防虫ネットセットなど。
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必要な道具を準備しましょう
苗の用意
ゴーヤは種から育てることもできますが、株数の少ないプランター栽培では、苗を購入するとよいでしょう。
苗を購入するときは、しっかりとしたよい苗を選んでください。
[良い苗の条件]
- 病害虫に侵されていない。
- 葉に厚みがある。
- 茎が太い。
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苗は丈夫なものを選ぼう
植えつけ
大型のプランターに1株を植えます。
プランターの底に鉢底石を約2cm並べ、培養土をプランターの深さの8分めまで入れて平らにならします。
株元を人差し指と中指ではさみ、斜めに倒して根鉢を崩さないように丁寧に苗を取り出します。
苗をプランターの中央に置いて植える位置を決め、根鉢ほどの大きさの植え穴を掘って植えつけます。
株元を軽く押さえて根と土とを密着させ、たっぷり水をやります。
仮支柱を立てて茎を結びつけておきます。
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苗のじょうずな植え方
ネット張り
つるが伸びるころまでに、キュウリネットやグリーンカーテン用のネットを張ります。
さまざまなネットの目合い(網目の大きさ)がありますが10cm角程度のものがつるを誘引しやすいです。
また、ある程度太いひもで作られたネットの方が設置や片付けの際に取扱いしやすいです。
マンションやベランダの場合は、避難経路の邪魔にならないように注意してください。
株が大きくなるとかなりの重さになるので、風で揺れたり落ちたりしないように、できるだけしっかり張りましょう。
つるは巻きひげでネットにからみつきますが、最初は誘引してひもなどで縛っておくとよいでしょう。
摘芯1
本葉7~8枚のころ、親づるの先端を摘みとって子づるを伸ばします。
子づるが伸びたら、バランスよく広げてネットにからませます。
水やり
気温が高くなると、温度を下げるために葉が盛んに水分を蒸散します。
涼しさを維持するためには、土がカラカラに乾かないようにしっかりと水をやりましょう。
水を与えるのに適した時間帯は早朝と夕方です。
日中に水をやると、蒸れによって根が傷むので避けます。
追肥
植えつけの約2週間後から、2週間に1回の割合で追肥します。
ゴーヤは栽培期間が長く、実をたくさんつけるので、追肥をじゅうぶんに与えるのがポイントです。
肥料が切れると、下葉から黄色くなり、やがて枯れてカーテンに穴があくので注意しましょう。
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追肥のコツを知っていますか?
ゴーヤの花
同じ株に雌花と雄花がつき、放っておいても自然に受粉します。
雌花は花の付け根に小さな実がついているので見分けられます。
実つきが悪いときは、朝のうちに人工授粉をするとよいでしょう。
雌花(または小さい実)を摘んで葉を茂らせる
花の付け根に小さな実がついているのが雌花で、実がついていないのが雄花です。
葉を多く茂らせたい場合は、小さな実のついた雌花を摘んで実の数を最小限に調整しましょう。
こうすると栄養が蔓や葉に送られて、葉がよく茂ります。
つるをネットに絡ませる
ゴーヤはつる性の野菜なので、放っておいてもつるが勝手にネットに絡んで登っていきます。
しかし、隙間のないグリーンカーテンをじょうずに作るには、ネットにまんべんなくつるが広がるように、手助けする必要があります。
伸びたつるをネットの隙間に意図的に絡ませましょう。
収穫
収穫が目的でない場合は、実が小さいうちに摘みとっておくと株の生育がよくなります。
表面の凸凹が大きくなり、つやが出てきたら収穫適期です。
品種特有の長さになったら、ハサミで切り取って収穫します。
とり遅れると黄色くなって割れてしまうので、早めに収穫しましょう。
ゴーヤは栄養豊富な健康野菜なので、夏バテ防止にたくさん食べましょう。
夏場の高温対策
ゴーヤは暑さに強い野菜ではありますが、夏場は高温でプランターの土はからからに乾いてしまい、葉がしおれてしまいます。
高温期は、株元に地温上昇を防ぐワラを敷き詰めて保湿するとよいでしょう。
摘芯2
つるがネットの上まで伸びたら、摘心して子づるの発生を促します。
摘葉
真夏になると次々と花が咲き、たくさんの実をつけます。
この時期になると、葉もどんどん成長して大きくなります。
葉が込み合ってくると、風通しが悪くなり、病気の発生の原因にもなるので、プランターに近いところの古い葉をかきとります。
注意する病害虫
ゴーヤは病害虫に強い野菜ですが、アブラムシ、ハダニ、ハモグリバエなどの害虫、うどんこ病などの病気が発生することがあります。
害虫は、こまめに観察して見つけしだい駆除します。
病気は、摘葉して風通しよく育て、発生したら早めにとり除いてまん延を防ぎます。
赤い種
青い果実はやがて鮮やかなオレンジ色になり、熟すと下から裂けて中から赤いゼリーがあらわれます。
赤いゼリーは、ほのかな甘みがあり、以前は水菓子代わりに食べられていました。
熟したゴーヤを味わえるのもプランター栽培ならではです。
たくさん収穫した後は、いくつか残しておいて味わってみるのもよいでしょう。
片づけ
10月初旬ごろから片づけ時期となります。
根元を切断すると、2~3日で葉や茎が乾燥して重量が減り、片づけやすくなります。
ある程度乾いて軽くなったら、ネットを張ったまま茎を切ってネットから取り外していきます。
ネットはたたんで来年まで保管します。
マンションやベランダの場合は、排水溝に葉や茎が詰まらないように注意して片づけましょう。