わらやポリフィルムなどの資材を使い、畝を覆うことをマルチング(マルチ)といいます。
マルチには、保湿、保温、雑草の抑制などの効果があります。
マルチにはさまざまな種類がありますが、黒マルチは季節を選ばずに使えます。
畝を立てたらマルチフィルムをかけます。
風で剥がれないように、マルチの裾をしっかり土に埋めることが大切です。
目次
マルチを張るさいのポイント
強風でマルチが剥がれて暴れてしまい、野菜を傷つけているのを見ることがあります。
また、風で飛ばされたマルチが、周辺に迷惑をかけることもあります。
そうならないためにも、マルチフィルムを地面にしっかりと固定することが重要です。
ところが、解説書によっては手軽さを優先し、「シート押え」だけでフィルムを地面に固定する方法が紹介されることがあります。
この方法は簡単ではありますが、それだけでは、強い風で剥がされてしまうことがあります。
では、マルチを地面にしっかり固定するには、どうすればいいか?
それは、フィルムの裾を埋めてしまうことです。
そうすれば、マルチの四方がしっかりと固定され、強い風でも剥がれなくなります。
ここでは、そういった点も踏まえて、失敗しないためのマルチの張り方を紹介します。
必ず揃えておきたい資材と道具
マルチを張るために、必要な資材と道具を事前に揃えておきましょう。
作業をスムーズに行えます。
シート押え
Amazon:セフティー3 シート押え
寒冷紗や不織布、マルチフィルムを押さえるのに便利な道具です。
先端がとがっているので地面にさしやすく、返しがあって抜けにくくなっています。
黒丸(おさえ太郎)
Amazon:第一ビニール おさえ太郎セット
防草シートや不織布のべたがけの固定、マルチフィルムのバタつきを押さえるのに便利です。
Uピンを黒丸の穴に差し込んで使用します。
マルチ穴あけ器(既製品)
Amazon:MKK マルチ穴あけ器
マルチフィルムの穴あけに便利な道具です。
ステンレスなので錆びにくく、フィルムに軽く押しあててねじるだけで、簡単に穴をあけることができます。
マルチ穴あけ器(手作り)
缶詰やコーヒーなどの空き缶を利用し、マルチ穴あけ器の既製品を真似して手作りしたものです。
手元にある道具で簡単に作れるため、簡単で経済的です。
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マルチ穴あけ器の作り方
マルチフィルムの幅に注意
マルチフィルムのサイズは、畝の幅や高さから計算して選択します。
畝の幅 + 畝の高さ + 裾の埋め代 =< フィルムの幅
もし、幅の狭いフィルムを選択してしまうと、裾が土に十分に埋められず、風で剥がされやすくなります。
また、逆に広すぎると、土に埋めきれずに露出し、作業に支障をきたすことがあります。
マルチの張り方
棒と紐を使ってフィルムを畝に被せる方法もありますが、それらの道具を使わなくても、簡単にフィルムを被せることができます。
必要以上の道具を使わない、シンプルなマルチの張り方を紹介します。
Step1:ロールを畝の端に置く
フィルムを巻いてあるロールを畝の一方の端に置きます。
この時、フィルムが下から出るようにロールを置くことがポイントです。
[下から出るように置く ○]
フィルムを引っ張ってもその場で回転して転がらず、ロールはその位置から外れない。
[上から出るように置く ×]
フィルムを引っ張った時にロールが転がってしまう。
Step2:ファイルを畝に被せる
フィルムをもう一方の端まで引っ張り、シート押さえで地面に仮止めします。
Step3:フィルムをカットする
ロール側のフィルムもシート押さえで固定し、カッターやハサミでフィルムをカットします。
Step4:マルチの脇を仮止めする
フィルムの裾をシート押さえで地面に固定します。
なお、裾を埋めやすくするための仮止めですので、間隔は大雑把でかまいません。
Step5:フィルムの裾を埋める
マルチの周囲をしっかりと土に埋めます。
これにより、風で剥がされるのを防ぎます。
Step6:フィルムを畝に固定する
フィルムが風でバタつかないように、黒丸でフィルムを畝に固定します。
Step7:マルチに穴をあける(穴なしマルチの場合)
紐とメジャーを使用して、植え位置に印をします。
苗を植える穴を作る場合 → 穴あけ器を深くさしこみ、穴を作ります。
種まきの穴を作る場合 → 穴あけ器を軽くさしこみ、フィルムをちぎりとります。
ここからは、種まきや、苗の植え付けなどの、ワクワクする作業が待っています。
以降の作業が台無しにならないためにも、横着せずに、一つ一つの作業を丁寧に行いましょう。
マルチに自分で穴をあける方法
[マルチ穴あけ器]
マルチの上から片手で押し込むだけで簡単に穴があきます。
[カッター]
植え穴の中心部分に十字に切り開いて苗を植えます。