ルタバガは、通称「スウェーデンカブ」と呼ばれ、セイヨウアブラナから根が肥大するものが選抜育種された野菜です。
ヨーロッパ北部やアジアが原産地といわれ、日本へは明治初期に渡来し、おもに北海道や東北で雑穀類とともに飼料用として栽培されました。
現在は、北海道でわずかにされているだけで、出回っているものはほとんど輸入に頼っています。
分類的にはセイヨウアブラナの変種とされますが、外見はカブによく似ていて、栄養的にもカブに近く、ビタミンCや食物繊維が多く含まれています。
外皮は緑や紫、黄茶色などがあり、内部は黄色または白色のものがあります。
肉質は緻密で、水分が少なく、ほんのりとした甘みがあり、カブ、ジャガイモ、キャベツをかけ合せたような味わいがあります。
生食もできますが、加熱するとホクホクして甘く、煮崩れしにくいので、シチュー、ボルシチ、スープなどの煮込み料理に向いています。
日本ではあまりなじみがありませんが、ヨーロッパでは一般的にカブ(turnip)と呼ばれ、マッシュやフレンチフライなどで食べられるおなじみの野菜です。
ルタバガの育て方
ルタバガはアブラナ科アブラナ属に分類される野菜で、菜の花の仲間になりますが、栽培方法は中カブや大カブと同じです。
点まきやすじまきして育てられますが、すじまきして間引きながら大きく育てていくのがおすすめです。
霜にあたると甘みが増すので、霜に数回あててから収穫するとおいしくなります。
保存性が高く、葉を切り落とし、風通しの良い冷暗所で保存すると、約半年間保存できます。
栽培時期
※品種や地域によって栽培時期は異なります。事前に確認してください。
畑の準備
ルタバガは連作を嫌うので、1年以上あけます。
種まきの2週間前に苦土石灰をまいて耕し、1週間前になったら堆肥と化成肥料を施してよく耕し、畝を立てて黒マルチを張ります。
黒マルチは、雑草の抑制や、保湿や地温を上げる効果に期待できます。
種まき
ルタバガは生育期間がやや長いので、8月中旬から9月上旬に種をまきます。
マルチを40cm間隔ですじ状にカットし、切り込みに支柱などを押し当てて浅い溝を作ります。
溝に5cm間隔くらいで種を2~3粒ずつまき、薄く(1cm以下)土を被せて軽く鎮圧し、水をたっぷりやります。
害虫対策
ルタバガはアブラナ科の野菜でアオムシなどの害虫がつきやすいので、種をまいたらすぐに防虫ネットでトンネルすると安心です。
間引き
間引きを2回行い、本葉5~6枚までに15cm間隔にします。
[1回目]
双葉が開いたら、隣の株と葉が触れ合わない程度に間引きます。
[2回目]
本葉5~6枚のときに2回目の間引きを行い、最終的に株間を15cm程度にします。
間引きが遅れると生育も遅れ、根の肥大が悪くなるので、必ず本葉5~6枚までに間引きを終えましょう。
追肥
最後の間引きの後、株のまわりに化成肥料を施します。
ルタバガは生育期間がやや長いので、必ず追肥を施します。
収穫
根の直径が8cm以上になったものから順次収穫します。
間引くように1株おきに収穫していけば、15cm程度まで大きくなります。
点まきするには
大きく育てるには、点まきして育てるとよいでしょう。
準備した畝に、2列で、30cm間隔で点まきします。
一カ所に種を3~5粒まき、土をかけて水をたっぷりやります。
込み合ってきたところは間引きを行い、本葉5~6枚になるまでに1本にします。