ホウレンソウの育て方とコツ|土の酸度調整をしっかり行おう

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栽培中のホウレンソウ

ホウレンソウは、アカザ科・ホウレンソウ属に分類される一、二年草植物です。

西アジアが原産地で、ここから東西に広まり、それぞれ独立した品種群が成立しました。

日本へは、江戸時代のはじめごろに中国から東洋種が、明治時代に欧米から西洋種が入ってきましたが、現在は両者の交配種が主流になっています。

「青菜(緑黄色野菜)の王様」といわれるほどに栄養価が高く、中でも鉄分を多く含み、ほかに、カロテンやビタミン類なども豊富に含みます。

寒さに強く、寒さのなかでじっくり育ったホウレンソウは、夏のものよりも甘み、おいしさ、栄養価もアップしています。

ホウレンソウの栄養

ホウレンソウは栄養価の高い緑黄色野菜として知られ、よく食べられているおなじみの野菜です。

ホウレンソウを100g食べると、カロテンは1日に必要なすべて、鉄は必要量の1/3を摂ることができます。

貧血を予防する鉄の量は野菜の中でもトップラスで、この吸収を助けるビタミンCなども含まれています。

ほかにも、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、ビタミンB1、B2、Kなど各種ビタミン、ミネラルを豊富に含みます。

とくに冬に育てたものは、夏に育てたものよりも栄養価が高く、甘みも増しておいしくなります。

ホウレンソウの種類

ホウレンソウは西アジアが原産で、ここから東西に広まり、中国に渡ったものが東洋種で、ヨーロッパに渡ったものが西洋種です。

現在は両者の交配種が主流ですが、生食用に改良されたものもあり人気が高まっています。

[東洋種]
根が赤く、茎が長めで葉に深い切れ込みがあるのが特徴です。
アクが少なめで、おひたしなどに適します。

[西洋種]
葉に丸みがあり、茎が太いのが特徴です。
葉肉が厚いので、炒めものに適します。

[交配種]
東洋種と西洋種の特性を生かして交配されたものです。
えぐみやくさみが少なく、色々な料理に使えます。

[赤茎ホウレンソウ]
アクの少ない生食用のホウレンソウです。
サラダの彩に最適で、ベビーリーフとして用いられることも多くあります。

[サラダホウレンソウ]
生食用に改良されたホウレンソウです。
色はやや薄く、アクが少なくやわらかいのが特徴です。

[ちぢみホウレンソウ]
冬の寒さを利用する寒締めという栽培方法でつくられたホウレンソウです。
葉肉が厚く、糖度や甘みがアップしています。
寒気にさらされて育つため、地面に張りつくような姿になります。

ホウレンソウの育て方

栽培中のホウレンソウ

ホウレンソウは、15~20℃の冷涼な気候を好み、暑さを嫌います。

寒さには強く、0℃前後で成長は停止しますが、マイナス10℃程度まで耐えることができます。

これに対して高温には弱く、30℃以上では成長が抑えられ、病気などの発生も多くなります。

酸性土壌では、生育がいちじるしく劣るので、種まきの前に石灰などで調整します。

季節ごとに適した品種を選べば、ほぼ一年中育てられますが、秋に種をまいて冬に収穫するのが育てやすくておすすめです。

概要

生育温度 15~20℃。
土壌酸度 6.0~7.5。
連作障害 あり。1年以上あける。
育てやすい品種 強力オーライ、おかめ、弁天丸、トライ、あかね法蓮草など。
元肥 苦土石灰と元肥を入れる。
種まき時期 春と秋。
種まき方法 畝幅:90cm。
マルチ:しなくてもいいが、した方が管理が楽に行え、防寒対策にもなる。
種まき方法:条(すじ)まき。
条間:20cm。
栽培中の管理 害虫対策:防虫ネットでトンネルした方が安心。
間引き:隣の株とぶつからないように間引く。
追肥:生育が遅れているようなら液肥を与える。
収穫 間引きを繰り返して収穫し、草丈が25cmくらいになったものから収穫。
病害虫 害虫:オンブバッタ、コオロギ、タネバエ、ネキリムシ、シロオビノメイガ、ネコブセンチュウ、ハダニ類、アブラムシ類、ヨトウムシ類など。
病気:立枯病、炭そ病、べと病、萎黄病など。

ポイント

  • 連作を避ける。
  • 酸性の土壌に弱いので、石灰をまいて酸度を調整する。
  • 栽培する時期に合った品種を選ぶ。
  • 春まきはトウ立ちが早い。

ホウレンソウの栽培時期

ホウレンソウの栽培時期

※地域によって栽培時期は異なります。事前に確認してください。

春まきはトウ立ちしやすく、気温が25℃を超えると病気が出やすくなるので、秋まきで冬から春に収穫するのがおすすめです。

育てやすい品種

強力オーライ、おかめ、弁天丸、トライ、あかね法蓮草など。

[強力オーライ]
べと病に強く、生育が旺盛でつくりやすい秋冬どり種です。
葉は濃緑色の広葉で厚く、食味に優れます。
耐暑、耐寒性に強いので、栽培適応性の広い品種です。

[おかめ]
葉肉は緻密でくせのない食味です。
耐暑、耐湿性にすぐれ、高温期の栽培に向く夏どり種です。

[弁天丸]
べと病にとくに強い品種です。
くせのない食味で、アクが少なく、甘みがあります。
秋冬どり種で、とくに中間地、暖地の12月~2月どりに最適です。

[トライ]
低温期の生育に優れる冬どり種です。
葉は鮮緑色で葉肉は厚く、2~3段の浅い切れ込みがあります。
べと病に強く、栽培は極めて容易です。

[あかね法蓮草]
山形在来の日本ホウレンソウです。
とくに根、根元の赤みが強く、甘みがあります。
耐寒性が強く、トウ立ちしてもやわらかいので食べられます。

畑の準備をする

ホウレンソウを栽培する畑の準備

ホウレンソウは連作を嫌うので、1年以上あけます。

酸性の土壌をとくに嫌うので、種まき前に必ず石灰などで酸度を調整し、深く耕しておきます。

排水不良にも弱く、水はけが悪いと湿害が多発するため、雨のときに水たまりができないように畝を高めに立てます。

種まきの2週間前に苦土石灰をまいて耕し、1週間前になったら堆肥と化成肥料を施してよく耕し、畝を立てて黒マルチを張ります。

黒マルチは、雑草の抑制や、保湿や地温を上げる効果に期待できます。

ホウレンソウの種をまく

ホウレンソウの種まき

マルチを20cm間隔ですじ状にカットし、切り込みに支柱などを押し当てて浅い溝を作ります。

溝に1cm間隔くらいで種をまき、薄く(1cm以下)土を被せて軽く鎮圧し、水をたっぷりやります。

たくさん種をまくのに便利な道具

スキップシーダーのPS-3

穴ありマルチにホウレンソウの種をたくさんまくとき、スキップシーダーのPS-3があると便利です。

穴あきマルチをして点まきをするには、時間と手間がかかります。

PS-3を使えば、立ったまま楽にたくさんの種をまくことができます。

種まきにマルチ播種機の「スキップシーダー PS-3」が便利

害虫対策

ホウレンソウは虫の少ない涼しい時期に育てるので、害虫の心配は少ないものの、防虫ネットでトンネルした方が安心です。

種まき直後からトンネルし、裾はしっかり土を被せて埋めて隙間をなくし、害虫が侵入しないようにするのがポイントです。

間引き

発芽したら、込み合ったところを順次間引き、最終株間10cmほどにします。

その後も徐々に間引き、最終的に株間が10~15cmになるようにします。

手入れ

防虫ネットでトンネルしてもアブラムシやヨトウムシなどがつくことがあるので、こまめに観察して、見つけしだい取り除きます。

追肥

ホウレンソウの栽培では基本的に追肥はしませんが、葉色が薄いようであれば、液肥を与えます。

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収穫

収穫時期のホウレンソウ

草丈が20~25cmくらいになったら収穫適期です。

大きく育ったものから間引くように収穫していきます。

40cmくらいになってもやわらかくおいしく食べられます。

霜や寒さにあたると葉を地面に広げ、葉が肉厚になり、栄養と甘みが増してよりおいしくなります。

春まきはトウ立ちが早いので、茎が立ち上がるように伸びはじめる前に収穫しましょう。

収穫したホウレンソウ

大株に育てよう

ホウレンソウはスーパーなどで25cmくらいで売られていますが、加工に利用される場合は大株で収穫します。

例えば、給食センターなどでは、30~40cmくらいまでの大きさの納品を可としているところがあります。

ホウレンソウは葉よりも葉柄の部分に糖が多く含まれているため、大きくして食べるといっそう甘みを感じられます。

病害虫

ホウレンソウには、ヨトウムシやアブラムシなどがつくことがあります。

アブラムシは間引きをして風通しをよくして育てて予防し、ヨトウムシはよく観察して見つけしだい駆除します。

病気では、梅雨や秋の長雨のときにべと病、ウイルス病、立枯れ病などが多発します。

間引きを行って風通しをよくして育て、病気の兆候の出た株はすぐに抜き取って畑の外で処分します。

コンパニオンプランツ

ホウレンソウと葉ネギはお互いに相性がよく、生育を促進させます。

窒素過多や病原菌を抑えるなどの効果があり、連作障害の回避にもなります。

種とり

秋まきしたものは、春になるとトウ立ちして開花します。

ホウレンソウは雌と雄が別の雌雄異株で、またF1種が多いため、種とりはあまりおすすめできません。

固定種なら、春にトウ立ちして開花し、受精した雌の株をそのまま育てれば夏に種をとることができます。

種ができたら乾燥させ、種をとり出し、乾燥剤と一緒に封筒や瓶に入れて冷蔵庫で保存します。。

[固定種]
日本ほうれん草、ノーベルほうれん草、豊葉ほうれん草、次郎丸ほうれん草など。

寒さを防ぐ

寒さには強いですが、霜が降りるころ、寒冷紗やビニールでトンネルしておくと安心です。

北側に風よけをするのもよいでしょう。

皮つきの種は芽出ししてからまこう

ホウレンソウは硬い殻の中に種が入っています。

皮をむいたもの(ネイキッド種子)と殻つきのものがあるので、殻つきのものは、一昼夜水につけておくと発芽しやすくなります。

種をガーゼなどに包んで一昼夜水につけておき、流水でよく洗ってからまきます。

種は多めにまこう

ホウレンソウは発芽率が悪いので、1粒ずつまくよりも、いくつもまいて間引きしたほうが、揃いがよくなります。

また、植え替えもできるので、欠株したところは間引きした苗を植えておくとよいでしょう。

ちぢみ(寒締め)ホウレンソウをつくろう

真冬になると、寒さに耐えるために葉が地面に這うように大きく開きます。

見た目は悪いですが、甘みと栄養価を増しておいしくなります。

発芽がそろわない

ホウレンソウは栽培する時期に合った品種を選ぶことが大切です。

また、ホウレンソウの発芽適温は15~20℃と低めなので、夏は種を一昼夜水につけてからまくと発芽がそろいやすくなります。

種まき後に乾燥すると発芽が悪くなるので注意しましょう。

花が咲いてしまった

春から夏に栽培をスタートすると、長日になるので、花芽が分化してトウ立ちしやすくなります。

東洋種はとくにトウ立ちしやすいので、春、夏にまくときはトウ立ちしにくい東洋種と西洋種の交雑種を選ぶようにしましょう。

トウ立ちしやすい東洋種でも、秋にまけばトウ立ちの心配なく育てることができ、味は西洋種よりも東洋種の方が優れます。

プランターでホウレンソウを育てよう

プランターで育てたホウレンソウ

庭や畑でなくても、プランターでホウレンソウを育てられます。

プランターは大きめの48Lを使用し、培養土を入れたら、条間10cmですじまきします。

種をまいたら、プランター専用の支柱・防虫ネットセットを使用して害虫を寄せつけないようにします。

発芽後は、間引きを2回行い、本葉2~3枚までに5~6cm間隔にします。

2回目の間引きのあとか、本葉が5枚くらいになったころ、株間とプランターの縁に少量の肥料を施します。

草丈が20cm程度になったら、食べる分ずつ収穫します。

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