インドの西ベンガル州、ヒマラヤの山脈付近にダージリンはあるのですが、その近くから車で2時間ぐらい行ったところに、茶園があります。
バイオダイナミック農法を使っている茶園としても知られる、セリンボン茶園です。
バイオダイナミック農法は、有機農法・自然農法の一種です。
全て自然のものが使われている農法です。
牛の角の中に牛糞を詰めます。それが肥料に使われます。
使用する牛は、牝牛のみのです。「メスのマザーパワーを利用する」と言われています。
中身の詰まった角を、地面から生えているように土に少しだけ埋めます。
その上から、カモミールのハーブをかぶせて半年ほど寝かせるのです。
半年経つと牛糞の嫌なにおいもなくなり、卵の殻や石灰を混ぜて、液体状にしたものを、肥料としてまくのです。
茶畑は基本的に急斜面。登るのも一苦労
茶畑は、急斜面にあります。登るのも降りるのも、ひと苦労です。
こうしたところで働いている人の足腰の強さは感嘆すべきものがあります。
茶葉を摘み取る際、一芯二葉で、小さい芽を葉も含めて、上から三枚目までだけを摘み取ります。
かごを背負って、積んだ茶葉をどんどん入れていきます。
茶葉の木は、茶葉の芽が摘み取れるようになるまで、7年かかります。
バナナの木は、水分が多く含まれています。そのため、多少の雨が降らなくともバナナの木から水分を得ることができるよう、若木は、バナナの木があるところに植えられているのです。
お茶製造工場ではどんなことが行われる?
紅茶は、摘んでから通常、1日寝かせます。
茶葉をしおらせ、水分を抜く工程が必要です。これを萎凋と言います。
その後、茶葉をもんで、発酵を促しますが、これを揉捻といいます。
その後は、揉捻の機械で、上からプレスしてもんでいきます。
そして、乾燥した茶葉をもんでいきます。
温度と湿度を管理した環境で、茶葉を発酵させ、乾燥させた茶葉の発酵を止めます。
紅茶は、摘み取る季節によって、味や香りが異なるものになります。
時期や加工工程の異なる数種類の茶葉をテイスティングしてみましょう。
ティスティングでは、紅茶を吸い上げるようにして鼻腔まで香りが届くように吸い込みます。
お茶は、1年を通じてさまざまな表情を見せてくれるのです。
お茶摘みってどんな労働?
お茶摘みは、凸凹の斜面で足を踏ん張って、お茶を摘み取り、かごに入れるのですが、意外と重労働です。
しかし、茶園の素晴らしい景色を見ることができます。
日本国内でも、緑茶の茶摘み体験などが行われていますよね。
日本では、茶摘み娘のコスプレをして変身し、洋服の上からかすりなどの着物などを着て、大人はちょっとかがむ必要があるので大変です。
ですが、お子さんの場合は、かがむ必要がないので、ちょうどいい高さになるのです。
茶園はいい香りがして、とっても気持ちが良いですよ。
日本国内でも試せるので、ぜひ試してて見ください。
オーガニックなバイオダイナミック農法を使った美味しい茶葉を使って、素敵な紅茶は作られています。
まとめ:茶畑で紅茶は採れる
紅茶は、茶畑で採れます。
ヒマラヤの奥地で、有機栽培の農法を使って丁寧に作られた紅茶が、工場で加工され、商社などを通じて、私達の食卓に登るのです。
足腰を鍛えた女性たちが、茶葉を一生懸命摘んでくれます。
感謝しながら、いただきたいものですね。
日本に入ってきたインドの紅茶などは、輸入食品販売店や、インドカレーの店などで売られています。
リプトンなどの紅茶とはまた少し違った味わいがしますので、ぜひいろいろ試してティーマスターになってみてください。
(文/渡邉ハム太郎)