山東菜は、中国山東省を原産とする白菜の仲間で、頭部が開いたまま半結球状で育ちます。
白菜のようには結球せず、内部の葉は鮮やかな黄色で、日持ちがよく、とくに漬物用として重宝されています。
明治初めから普及し始め、関東地方を中心に広く栽培されていましたが、栽培期間が長いことや収穫が重労働なことから、主に埼玉県の一部で生産されています。
葉は肉厚で水分を多く含んでいて、主に漬物に使われる野菜ですが、くせがなく、炒め物や鍋物にしてもおいしい野菜です。
目次
山東菜の種類
山東菜の品種には、半結球性と不結球性があります。
不結球の山東菜は、「べかな」などの小型のうちに収穫するように改良されたものです。
大型の山東菜を収穫するには、半結球性の品種を選びましょう。
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山東菜の育て方
基本的な育て方は白菜と同じで、白菜よりも生育は旺盛で育てやすいです。
種まきは適期を守り、収穫まで肥料が効くように追肥をしっかり行ってじっくり育てます。
おすすめの品種
[新あづま]
葉の色は淡緑で毛がなく、葉に大きな切れ込みあり波打っていて、球の芯は鮮黄色によく着色します。
適期に栽培すると3.5kg程度に太ります。
栽培時期
※品種や地域によって栽培時期は異なります。事前に確認してください。
適期に育てないと大きくならないので、必ず適期に種をまいて栽培をスタートしましょう。
畑の準備
苗の植えつけの2週間前に、苦土石灰をまいてよく耕し、1週間前になったら、堆肥と化成肥料を施してよく耕し、畝を立てて黒マルチを張ります。
種まき
山東菜は、根が弱く、移植すると生育が一時的に鈍くなるので、苗を作って畑に植えることもできますが、直まきが適しています。
準備した畝に、1列、株間45~50cmで1か所に4粒ずつ種をまき、手で軽く押さえて種と土を密着させ、水をたっぷりやります。
苗から育てるには
根が傷みやすいため直まき栽培が適していますが、苗を作って畑に植えることもできます。
9cm(3号)ポットに用土を8~9分目まで入れ、3カ所に指で窪みをつけて種を一粒ずつまきます。
土を薄く被せて手のひらで軽く鎮圧し、水をたっぷりやります。
発芽までは乾燥に注意し、発芽後は毎朝水やりをします。
苗であっても害虫がつきますので、寒冷紗や防虫ネットを覆うなどして対策します。
本葉1~2枚で生育の悪い株を間引きして1本か2本を残し、本葉が4~5枚のころに畑に植えます。
害虫対策
山東菜は、アブラナ科の野菜で、アオムシやヨトウムシなどの害虫がよくつきます。
種をまいたらすぐに防虫ネットでトンネルし、必ず裾に土を被せて隙間がないようにします。
ネットを張ることで害虫による被害が軽減されますが、完全に防ぐことはできないので、よく観察し、害虫を見つけしだい駆除します。
間引き
2回程度に分けて、生育の悪い株や、害虫の被害のある株を間引き、本葉5~6枚までに1本にします。
追肥
間引き以降に、生育の様子を見て、2週間に1回追肥を行います。
畝の肩の部分に、マルチの上からスコップで穴を掘り、肥料を入れて土を被せます。
収穫
頭部の黄色みの強い内側の葉が展開し、頭部を軽く押してみて内部が充実していたら収穫します。
山東菜は白菜よりも寒さに弱いので、寒さが厳しくなる前に収穫します。
山東菜の保存方法
切り口をよく乾かし、新聞紙などに包んで涼しい場所に保存します。