トマトが大きな病気にかかってしまって困らないためには、こまめな草勢管理と早期発見が大事です。
また、何段もの花房を収穫するためには、生育診断をして、生育が衰えないように適正な草勢管理が必要です。
ここでは、各症状の早期の特徴と、上手な草勢管理についてわかりやすくまとめました。
変な形の花が咲いたら
定植時の窒素の過剰による栄養過多などで、花芽分化が旺盛になりすぎ、鬼花と呼ばれる大きな花が咲くことがあります。鬼花は、実を切った時の心室数(部屋の数)が増え、形の悪い実(乱形果)になります。
農家さんでは鬼花を摘み取ってしまいますが、形は悪いものの味は変わりませんので、家庭菜園では気にしなくていいでしょう。
草勢が強いとき
若苗を植え付けていたり、元肥が効きすぎてしまうと、草勢が強くなりすぎ、開花しても着実しなくなります。このような状態を木ボケといいます。
このように草勢が強く着実しにくい状態のときは、トマトトーンによるホルモン処理を行って着実をよくし、追肥は見送り、脇芽を小さいうちに摘み取って成長を抑えます。
草勢が弱いとき
老化苗を植え付けていたり、肥料切れを起こしていると、生育が急激に悪くなってしまい、着果しても小さな実になります。このような状態を木負けといいます。
生育が急激に悪くなった場合は、追肥と水やりを行い、生育を促します。また、ホルモン処理や脇芽かきは生育を抑制しますので、控えます。それでも回復しない場合は、摘果して回復のみに努めます。
木負けしてしまうと回復が難しいです。木負けにならないように早めに対処しましょう。
実の尻が黒く変色したら
幼果の尻が黒く変色し、腐ることがあります。これは尻腐れ病(または尻腐れ果)といって、カルシウム欠乏による生理障害です。
尻腐れ病を予防するには、栽培前にしっかり石灰を施し、カルシウムは水分によって吸収されることから、乾燥に気を付けます。
葉が萎れてきたら
新芽の伸びが悪くなり、葉が細くなってよじれたり縮れたりすることがあります。このような症状は、ウイルスによる病気か、トマトトーンなどのホルモン剤による障害です。
ホルモン剤による障害であれば、後から発生する新芽には症状がでません。ウイルスによる病気の場合は、次々症状が出ます。
ウイルスは伝染するので、ほかの株に伝染させないように、発症した株は早めに抜いて焼却します。