トマトに発生する主な病気・害虫

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トマトは野菜の中でも病気や害虫の発生の多い作物です。とくに湿度の高い梅雨の時期は病気にかかりやすいので、うまく育てるためには対策が必要です。

葉の裏や見えにくい部分までこまめにチェックして、病害虫のサインがあらわれていたら、早めに対処しましょう。

モザイク病

葉がモザイク状の模様になり、細くなってよじれたり縮れたりします。ウィルスが感染して起きる病気です。発病してしまったら薬剤などで治療することは不可能です。ほかの株への感染を防ぐため、株を処分しなくてはならないので、何よりも予防が大切です。ウィルスはアブラムシやコナジラミなどの害虫が媒介します。これらの害虫を駆除することが大切です。また、ハサミを介して感染することもありますので、脇芽かきはできるだけ指で摘み取るようにします。

青枯れ病

細菌の一種が植物の内部で繁殖するために起きる病気です。元気に育っていた植物が、はじめは水やり不足のように、日中に萎れ、夜になると一時的に回復するという症状を繰り返しますが、その後萎れたままになり、立ち枯れます。病気の進行が早く、葉が緑のまま急に枯れるのでこの名があります。予防は水はけをよくすることです。水やりは控えめに、高温時は地面の温度が高くならないように、敷き藁などでマルチングします。病気が発生した株は早めに引き抜き、他の株に感染しないようにします。

かいよう病

はじめは下葉の縁からしおれて垂れ下がり、葉脈間が黄変し、株を枯らします。葉、茎、実の表面に小さな斑点が生じることがあります。

軟腐病(なんぷびょう)

土中の細菌が傷口から侵入し、地際部分がとろけるように軟化して腐敗します。腐敗した部分は強い異臭を放ちます。薬剤による治療は不可能で、病気の見つかった株は早めに抜き取り焼却処分にします。予防は植物に傷をつけないことが一番です。害虫の防除も大切です。日ごろから雑草を駆除し、畑の排水をよくし、水をやりすぎないようにします。

疫病(えきびょう)

土中に生息するカビの一種が原因で、菌が泥はねなどで感染し、葉、茎、果実に発生して株を枯らします。ジャガイモと共通して感染する病気で、ジャガイモの近くでは発病が多くなります。マルチなどをして泥はねを予防します。

萎ちょう病(いちょうびょう)

土中の糸状菌(カビの一種)に導管部が侵され、株が弱って萎れ、ひどい場合には枯れます。発生したら治療法はなく、病気に侵された株を引き抜いて焼却し、他の株への感染を防ぎます。植え付け前に土壌消毒をすると予防効果があります。

斑点病

葉に1~2mmの小さな斑点が生じ、斑点の中心はくぼみ、穴が開きます。

半身萎ちょう病

病状は萎ちょう病に似ていますが、はじめは株の半分に症状が出るのでこの名があります。土中の菌が根から侵入して、下葉から徐々に変色して枯れます。発生したら、病気に侵された株を引き抜いて焼却し、他の株への感染を防ぎます。

輪紋病(りんもんびょう)

葉に暗褐色の小さな斑点が生じ、次第に大きくなり、やがて同心円状の模様ができます。

尻腐れ病

カルシウム不足による生理障害です。幼果の尻が黒く変色し、腐ります。栽培前にしっかり石灰を施し、乾燥に気を付けます。

アブラムシ

ほとんどの野菜に発生する2~4mmほどの害虫で、葉の裏や芽の先について植物の汁を吸収します。ウイルス病を媒介します。アリと共存していますので、アリが登っていれば、その先にアブラムシがいます。

オオタバコガ

幼虫は果実内に食入して食い荒らし、中を空にすると次々と移動して食害します。

ハダニ

ハダニは繁殖が旺盛で、葉の裏に寄生して汁を吸い、葉を黄変させます。

アザミウマ

1~2mmほどの大きさの細長い虫で、葉の裏に寄生して汁を吸い、その部分の葉緑素が抜けて白っぽくカスリ状になります。

ニジュウヤホシテントウ(別名テントウムシダマシ)

表皮を薄く残して葉の裏や果実の皮を食べます。赤褐色の小型の甲虫で、テントウムシに似ていますが、背中に28個の黒い斑点があるので見分けられます。

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