落花生の育て方とコツ|珍しい育ち方を観察するのも楽しい

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落花生

落花生は、南米アンデス地方が原産で、コロンブスが航海食として利用していたことから世界中に広まったといわれています。

日本には、300年ほど前に中国を経由して伝わり、当時は南京豆と呼ばれていました。

栽培がはじまったのは明治初期になってからで、一般に食べられるようになったといわれています。

千葉県の名産品で知られ、以前は関東地方を中心に多くの農家で栽培されていましたが、現在は他の野菜への転換が進み、落花生の生産は減少しています。

堅い殻を割って食べることから、ピーナッツの名で親しまれていますが、ナッツ(木の実)ではなく、豆の仲間です。

豆では珍しく、花が咲いた後、子房柄というヒゲ根が伸びて地中にもぐり、土の中で実をつけることから、落花生と名付けられました。

土の中で育つことから、沖縄では地豆(ジーマミー)とも呼ばれています。

栄養価が非常に高く、約30粒でごはん1杯分と同じカロリーです。

炒って食べる落花生は癖になる美味しさ、収穫したての「ゆで落花生」は極上の美味しさです。

落花生の実ができる仕組み

落花生の花は受粉後、花の付け根から子房柄と呼ばれるヒゲ根が下向きに伸び、やがて土に突き刺さって潜ります。

深さ3~5cmに達すると、子房柄の先端が膨らみはじめ、そこにさやができます。

そのさやの中で豆が育ちます。

このことから、この特性に由来して落花生と名がつきました。

落花生の種類

茎葉が地面を這う大粒種と、茎葉が立ち上がる小粒種があります。

立性(たちせい):分枝した枝が直立して成長する品種。
這性(はいせい):分枝した枝が地面を這うように成長する品種。

落花生の栄養

落花生には、抗酸化作用が高く老化防止のビタミンといわれるビタミンEをはじめ、ビタミンB群、脳の働きを活発にするレシチン、ミネラル類などを豊富に含みます。

脂質も豊富ですが、その多くはリノール酸や、コレステロール値を下げるオレイン酸です。

ビタミンB群の一種、ナイアシンがアルコールの代謝を助けるので、お酒のおつまみとしてもすぐれています。

ほかに、タンパク質や食物繊維も豊富です。

薄皮にはレスベラトロールというポリフェノールが含まれているとして注目されています。

落花生の育て方

落花生

落花生は夏の高温には強いものの低温には弱いので、種は気温がじゅうぶん高くなってからまきます。

マメ科の植物なので連作は避け、肥料は施さないか、少なめにします。

はじめは生育が遅いので、草に負けないように何度か除草を行います。

さやがおおむね肥大したころ、茹でて食べて楽しみ、完熟したさやを収穫したら、さやごと乾燥させて保存し、炒って食べます。

概要

生育温度 25~27℃。
土壌酸度 5.3~6.6。
連作障害 あり。2年以上あける。
育てやすい品種 郷の香(さとのか)、中手豊(なかてゆたか)、千葉半立など。
元肥 苦土石灰を入れる。
種まき時期 5初旬から6月中旬。
種まき方法 畝幅:90cm。
株間:2列、25~30cm間隔で2~3粒ずつ。
栽培中の管理 鳥対策:本葉が出るまで防虫ネットや寒冷紗をかけておく。
間引き:背丈が5cmくらいになったころ、1ヵ所2本にする。
追肥:株の生育状況を見て、葉色が薄いようであれば。
収穫 茎が黄変したら、掘りをして、さやがふくらんで網目がはっきりしていたら収穫する。
病害虫 害虫:アブラムシ、ハダニ、オンブバッタ、タバコガ、ヨトウムシ、ネコブセンチュウなど。
病気:褐斑病、そうか病、萎縮病、汚斑病、白絹病、斑紋病、根腐病、灰色かび病など。

ポイント

  • 連作しない。
  • 水はけが悪い場所であれば高畝にする
  • 肥料が多いとつるボケしやすいので、元肥は入れない。
  • 酸性土壌を嫌うので、種まきの1週間前までに石灰類を入れて調整しておく。
  • 子房柄が地中に潜り始める前までに土寄せを行う。

栽培時期

落花生の栽培時期

※品種や地域によって栽培時期は異なります。事前に確認してください。

落花生は寒さに弱いので、気温がじゅうぶんに上がってから種をまきます。

育てやすい品種

郷の香(さとのか)、中手豊(なかてゆたか)、千葉半立、おおまさり落花生など。

[郷の香]
茹で落花生用に改良された品種で、皮が薄く、甘みが強いのが特徴です。
草姿は立性で、ややおとなしく、分枝数はやや少なめです。
さやの色は白く、大きさは中くらいです。

[中手豊]
甘味のあるあっさりした味が特徴です。
草姿は立性で、分岐数はやや多く、さやの大きさはやや長大です。

[千葉半立]
立性と這性をかけあわせた品種です。
非常にコクと風味が豊かで、家庭菜園でも人気の品種です。

[おおまさり落花生]
収量が高い大粒の落花生で、甘味が強いのが特徴です。
草姿は這性で、草勢は強いです。

畑の準備

落花生を栽培する畝

落花生を同じ場所で作り続けると、連作による障害が出ることがあるので、落花生を含むマメ科の作物を2~3年は栽培してない場所を選びます。

また、酸性度の強い土を嫌うので、酸性に傾いた土壌であれば、石灰類をよく施して中和しておきます。

肥料が多いと、つるボケしやすいので、肥えた畑では元肥は入れません。

ただし、やせた土地なら元肥を控えめに施します。

種まきの1週間前に、畝に苦土石灰を施してよく耕し、畝を立てます。

落花生は加湿に弱いため、水はけが悪い場所であれば畝を高めにします。

黒マルチは保温・保湿、雑草の抑制の効果に期待できますが、落花生は地上の子房柄が伸びて地中に実をつける特性があるため、妨げになります。

マルチを張って栽培するのであれば、伸びた子房柄がマルチに達する前までにマルチを取り除きます。

種まき

落花生の種

落花生の種まき時期は5月初旬から6月中旬です。

殻がついていたら剥き、薄皮はつけたまままきます。

落花生の種まき

種まきは、1m前後の幅の畝で2列、株間を25~30cmとし、1ヵ所に2~3粒ずつ、2cmほどの深さに種を指で挿しこみ、土を被せ、手のひらで軽く押さえて鎮圧します。

落花生は極端な水を嫌いますので、ここでの水やりはしません。

鳥対策

落花生は発芽するまでに鳥などに食べられてしまうことが多いので、本葉が出るまで防虫ネットや寒冷紗をかけておきます。

間引き

背丈が5cmくらいになったころ、1ヵ所2本になるように、生育悪い株を抜いて間引きます。

土寄せ

土寄せを行った落花生

土寄せは大切な作業ですから、必ず行います。

草丈30~40cmのころ、株の周りのやわらかい土を株元に寄せ、子房が土に潜りやすいようにします。

子房柄が地中に潜り始めてから土寄せを行うと、子房柄や子房(実)を傷つけて生長しなくなることがあるので、早めに土寄せを行います。

追肥

株の生育状況を見て、葉色が薄いようであれば、追肥を施します。

肥料が多すぎると実がつきにくくなるので控えめにします。

試し掘り

茎が黄変し、下のほうの葉が全部落ちてしまったころに、試し掘りをしてみます。

さやがふくらんで網目がはっきりしていたら収穫適期です。

収穫

収穫適期の落花生

つる全体を持って、株ごと引き抜いて収穫します。

収穫が遅れると、土の中でさやが株から外れてしまい、収穫するのに手間がかかります。

葉がすべて枯れるまで待たず、葉が枯れ始めたタイミングで収穫しましょう。

ゆで豆にする場合は、とりたてを茹でて食べます。

乾燥

掘り上げた株は、逆さにしてさやに日が当たるように畑に並べ、1週間ほど乾燥させます。

株を振ってカラカラと音がするようになったら、さやをはずして水洗いし、日にあてて乾燥させます。

乾燥が不十分だと、保存中にカビが生えるので注意しましょう。

昼になっても葉が閉じている

落花生の葉は、夜になると閉じ、朝になると開きます。

葉の開閉は、土の乾燥状態の基準にもなります。

昼になっても葉が閉じたままで、さらに葉が反り返ったりしていたら、土壌水分が少ない証拠です。

7月下旬~8月中旬はさやができる大事な時期なので、昼間で閉じている葉を発見したら、すぐに水を通路にまきます。

このとき、土の表面が濡れる程度の量ではすぐに乾いてしまうので、土の中にしみ込むようにたっぷりまきましょう。

病害虫

落花生は、病害虫の少ない野菜です。

ただし、アブラムシ、ハダニ、オンブバッタ、タバコガ、ヨトウムシ、ネコブセンチュウなどが発生することがあります。

日ごろからよく観察し、害虫を見つけたらすぐに駆除することが大切です。

病気では、褐斑病、そうか病、萎縮病、汚斑病、白絹病、斑紋病、根腐病、灰色かび病などが発生することがあります。

水はけと風通しをよくして育て、病気が発生する前の予防防除を心がけます。

苗を作るには

落花生は発芽のときに豆が地表に露出し、鳩などの鳥に食べられてしまうことがよくあります。

種まきしたらすぐに防虫ネットでトンネルしたり、不織布を被せたり、もしくは薬剤を使用して鳥よけをしますが、できないようでしたら、セルトレイやポットで苗を作って植えると対策になります。

128穴のセルトレイ(または3号ポット)に種まき用土を入れ、穴に種を2粒ずつ(ポットの場合は3~4粒)置いて2~3cmの深さに指で押し込み、全体の表面を手のひらでならして種を隠し、水を静かにたっぷりかけます。

本葉が2、3枚に育ったころに畑に植えます。

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