長ネギの育て方とコツ|春から育てて冬にたくさん食べよう!

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栽培中の長ネギ

日本書紀にも記述があるほどの古い歴史をもつネギ。

ネギの種類は、おもに土の中で白くなった部分を食べる長ネギと、葉の緑色の部分を食べる葉ネギとに大きく分けられます。

地域的には、長ネギはおもに関東で、葉ネギはおもに関西で食べられてきましたが、最近はどちらも手に入るようになりました。

薬味に欠かせないネギですが、風邪をひいたときにネギ湯をのむなど、その薬効の高さもよく知られています。

ここでは、おもに白い部分(葉鞘部)を食べる長ネギの特徴や育て方を紹介します。

長ネギの栄養

ネギの特徴的な辛みやにおいは、ニンニクやタマネギなどと同じアリシンによるものです。

アリシンはビタミンB1といっしょに働き、疲労を和らげたり、糖尿病を改善したりする効果があります。

そのほかにも、白い部分には糖質、ビタミンC、カリウム、カルシウムが含まれます。

また、長ネギの緑の部分は緑黄色野菜に分類され、カロテン、カルシウム、ビタミンKなどが豊富に含まれています。

長ネギと葉ネギの違い

ネギの種類は大きく分けて、おもに白い部分を食べる長ネギと、葉を食べる葉ネギの2つですが、系統で分けると、加賀系、千住系、九条系の3つになります。

加賀系、千住系は長ネギの系統で、白い部分を食し、おもに関東で食べられていて、寒さに強いという特性があります。

九条系は京都生まれの葉ネギの系統で、葉の部分を食し、おもに関西で食べられています。

しかし近年、関東にも多くの葉ネギが出回るようになり、関西でも長ネギを使うようになりました。

長ネギでも1本種と分げつ種に分かれる

長ネギであっても、分げつしにくい1本種と、分げつしやすい分げつ種に分けられます。

1本種は種から育て、分げつネギは種がつかないので株分けして増やします。

[分げつしにくい品種]
下仁田ネギ、ホワイトスターなど。

[分げつするネギ]
坊主知らず、五月姫、向小金など。

ネギいろいろ

[万能ネギ(葉ネギ)]
九条ネギの九条細の仲間で、正式名称は博多万能ネギです。
葉ネギを若どりしたもので、鮮やかな緑色が美しく、食感はやわらかいのが特徴です。
和洋中のどの料理にも使えることからこの名がつきました。

[九条ネギ]
京都特産の葉ネギです。
葉が長く、肉質がやわらかいのが特徴です。

[アサツキ]
別名を糸ネギや草ラッキョウといって、細くて青い若葉と、白い茎を食べます。
辛味がワケギよりも強く、白ネギよりも弱いのが特徴です。
殺菌効果があることから、おもに薬味として利用します。

[下仁田ネギ]
別名を殿様ネギ、上州ネギといって、群馬県下仁田町の特産品です。
白い部分は20cmほどと長ネギと比べて短く、太くてずんぐりとした形が特徴です。
煮ると独特の甘みが出るので、鍋に最適です。

[リーキ]
原産地は地中海沿岸で、フランス名でポワローと呼ぶことから、ポロネギや西洋ネギとも呼ばれます。
葉はかたくて食べられませんが、白い部分は煮るとやわらかくなり、甘みと香りが楽しめます。

[わけぎ(葉ネギ)]
ネギとタマネギの雑種で、西日本を中心に栽培されています。
葉先までやわらかく、生食で薬味にしたり、茹でて全体を食べることもできます。
よく枝分かれするのでこの名がついたとされます。

[赤ネギ]
山形県や茨城県の特産品で、葉柄が美しい赤紫色をしています。
一皮むくと白色になりますが、肉質はやわらかく、辛みも少ないのが特徴で、生でも美味です。

[芽ネギ]
小ネギとも呼ばれ、ネギの種子を密植させて植え、7~8cmくらいに成長した若い芽を収穫したものです。
黄緑色が美しく、やわらかいのが特徴です。

栽培方法によるさまざまな品種

同じネギでも、栽培方法がちがうだけでさまざまな品種のネギがあります。

ビニールハウスで栽培される軟白ネギは、やわらかくて甘みがあり、ネギそのものを味わう料理に最適です。

芽ネギは、長さ10cmほどのネギの若い芽で、見た目がきれいなので、刺身のツマなどに最適です。

長ネギの育て方

栽培中の長ネギ

白い部分を食べる長ネギは、とくに関東地方で好まれ、各地に伝統品種が存在します。

春に種をまいて、夏に苗を植え、冬に収穫するのがもっとも作りやすく、定番の作型です。

種まきからでは収穫まで8か月もかかるので、6月頃に苗を購入して植えるのもよいでしょう。

暑さ寒さに強く、あまり手間もかからなくて育てやすい作物ですが、生育期間が長いので、肥料を切らさずにうまく育てることがポイントです。

栽培の概要

生育温度 20℃前後。
土壌酸度 6~7.4。
連作障害 あまりない。できれば1年以上あける。
育てやすい品種 松本一本ネギ、ホワイトスター、なべちゃん葱、雷帝下仁田など。
元肥 苦土石灰と元肥を入れる。
種まき時期(苗作り) 春まき冬どり:3月下旬~5月中旬。
苗の植えつけ 苗が長さ20~25cm、太さ5~6mmくらいになったら。
深さ20~30cm、幅15cmの溝を掘り、溝の中心に苗を1本ずつ植える。
黒マルチ:なし。
株間:5~6cm。
栽培中の管理 除草:こまめに除草する。
土寄せ:4回程度に分けて行う。
追肥:土寄せの1~3回目のとき。
収穫 最後の土寄せから3~4週間して緑葉の伸びがとまったら。
病害虫 主な病気:さび病、黒斑病、軟腐病など。
主な害虫:ネギハモグリバエ、ネギアブラムシ、アザミウマ、ネキリムシなど。

栽培のポイント

  • 追肥と土寄せをしっかりして、白い部分を長くする。
  • 春まき冬どりが作りやすい。
  • こまめに除草する。
  • 肥料を切らさないように追肥する。
  • ネギ坊主は見つけ次第摘み取る。

栽培時期

長ネギの栽培時期

※品種や地域によって栽培時期は異なります。事前に確認してください。

育てやすい品種

松本一本ネギ、ホワイトスター、なべちゃん葱、雷帝下仁田など。

[松本一本ネギ]
長野県松本特産の固定品種です。
耐寒性が強く、生育旺盛で作りやすいです。
肉質は柔軟で甘味あり、風味とやわらかさが特徴です。

[ホワイトスター]
肉質のきめが細かく苦みや辛みも少なく、とてもおいしい秋冬どりの長ネギです。
生育は旺盛で、耐湿性・耐病性が比較的強く、伸びや太りにすぐれます。

[雷帝下仁田]
下仁田ネギから選抜して育成した品種で、下仁田系に比べて、さび病、べと病に強く、高温期でもつくりやすいのが特徴です。
肉質はとてもやわらかく、甘みとコクがあり、とろけるような舌ざわりです。
白部は18~25cmでとくに太く、葉肉は厚みがありやわらかいです。

[なべちゃん葱]
下仁田ネギの食味と、長ネギの耐寒性と耐病性を受け継ぐ一本太ネギです。
長さ20cm以上、太さ2.8~3.5cmでよく太り、光沢があります。
やわらかくて甘みがあり、鍋物や煮物に最適です。

苗を作る

家で長ネギの苗を作る

プランターや底に穴をあけた発泡スチロールなどに培養土を入れ、5cm間隔で軽く溝をつけ、溝の中に1cmほどの間隔で種を条まきし、溝の両側の土をつまんで種にかけ、手のひらで表面を軽く押さえます。

種をまいたら、水をたっぷりやり、新聞紙をぬらしてかぶせます。

発芽したら新聞を取り除き、葉の数3~4枚、太さ5~6mmになるまで育てます。

丈が20cm~30cmになった長ネギの苗

畑の準備

冷涼で乾燥した気候を好むため、風通しのよい場所を選びます。

ネギは連作障害のでにくい野菜ですが、できれば1年以上栽培していない場所を選びます。

また、酸性の土壌を嫌うので、酸性に傾いた土壌ではかならず石灰を施し、土壌酸度を調整します。

苗を植える2週間前までに、苦土石灰をまいて深く耕し、1週間前になったら、堆肥を施して深く耕しておきます。

化成肥料は生育に合せて与えるので、とくにやせた土壌でなければ元肥には必要ありません。

植え溝づくり

植え溝

耕した直後ではなく、耕してから1週間ほどしてから溝をつくると、土が固まって崩れにくくなります。

クワで溝を掘って植え溝をつくります。

深さ20~30cm、幅15cmの溝をクワで掘り、掘り出した土は溝の片側に盛り上げておきます。

苗を植える

植え付け前の長ネギの苗

種まきから2か月ほどして、苗が長さ20~25cm、太さ5~6mmくらい(鉛筆より少し細い)に成長したら、溝の中心に株間5cm程度に1~2本ずつ植えます。

溝の中心に、苗より少し太い支柱などを1~2cmほど差し込んで植え穴をあけ、その穴に苗を垂直に立てて植えます。

※細い苗の場合は浅く植えます。

深く植えすぎると成長しないので注意しましょう。

苗を植えるとき、大苗と小苗を混ぜずに分けて植えると管理や収穫がしやすくなります。

長ネギの苗の植えつけ

除草

生育初期は除草が大切です。

長ネギは生育がゆっくりなので、雑草が生えると日陰になって徒長したり、雑草に負けて枯れてしまうこともあります。

とくに生育初期は草に覆われないように、こまめに除草しましょう。

追肥・土寄せ

長ネギの最終の土寄せ

土寄せは、白い部分を長くするための大切な作業です。

土寄せは栽培期間の長さによって変わりますが、基本的には4回程度に分けて行います。

1回目は、植えつけ後30日したら、化成肥料を溝に施し、溝を崩して土をかけます。

2回目は、1回目の土寄せから30~40日したら、同様に追肥し、また溝を崩して根の上に5~6cm土をかけます。

3回目は、2回目の土寄せから30~40日したら、同様に追肥し、株元に5~6cm土をかけて盛り上げます。

4回目は、収穫の30日くらい前に、追肥はせず、分岐部(生長点)まで茎が隠れるように多めに土をかぶせて仕上げます。

何度も土寄せをしたり、一度にたくさん土をかけると肥大が悪くなるので、適期に少しずつ行いましょう。

収穫

最後の土寄せから3~4週間して緑葉の伸びがとまったら、畝の端から必要な分だけ掘り出して収穫します。

株を傷めないように注意しながら、スコップなどでまわりの土をどかし、手でしっかりと株の根元を持ってゆっくり抜き取ります。

冬の間じゅう置いておけるので、必要な分を抜き取ったらまた土を戻しておきます。

収穫した長ネギ

病害虫

苗の植えつけ後はネキリムシに注意します。

ネキリムシは、地ぎわ部分を齧って倒してしまうイモムシで、周辺を掘ると出てきます。

葉にはネギハモグリバエ、ネギアブラムシ、アザミウマがよくつきます。

これらの害虫はウイルスを媒介するので、見つけしだい駆除します。

病気では、さび病に注意します。

葉の表面に赤褐色の鉄サビのような小さな斑点ができる病気です。

ほかに、葉に斑点ができるべと病、黒斑病などが発生することがあります。

連作を避け、ひどいようなら抜いて畑の外で処分するか、早めに薬剤を散布しましょう。

植えた苗が倒れた!

苗が地ぎわから倒れてしまうのは、ネキリムシによる食害です。

ネキリムシはカブラヤガやタマナヤガの幼虫で、体色は暗褐色、体長は4cm、昼間は土中に潜って隠れています。

被害を受けた株のまわりの土の中に潜っているので、探し出して捕殺しましょう。

土寄せのコツ

分けつ部が伸びたら、白い部分を伸ばすために土寄せをします。

分けつ部は生長点でもあるので、ここが埋まらないように注意します。

長ネギが太くならない

太らない原因は肥料不足もありますが、土寄せに失敗した可能性もあります

土寄せが早すぎたり、一度にたくさん土寄せをすると、長くはなりますが、逆に肥大は悪くなります。

太らせるために過度の土寄せはしないように注意しましょう。

ネギ坊主

長ネギのとう立ち

トウ立ちしたてで花茎が見え隠れするくらいのうちなら、少しかたいですが、食べれます。

花茎が伸びるほどにかたくなり、花が咲くころにはかたくて食べられなくなります。

しかし、諦めることはなく、花茎は早めに摘みとると、花茎は株から離れて枯れ、またやわらかくなって食べられるようになります。

花茎は株から離れる

ネギ坊主が出たら、成長の妨げになるので取り除きます。

ネギ坊主も天ぷらなどに利用できます。

曲がりネギの作り方

栽培中のネギを一度抜き取って、約30度の角度をつけて再度土に埋めます。

横倒しになったネギの地上部分が上に向かって起き上がるため、大きく曲がり、曲がりネギの形になります。

曲がって伸びた部分にだけ土寄せをするため、植えつけてからの作業が楽になります。

種とり

固定種であれば種とりは簡単にできます。

ネギ坊主が出たら、そのままおいておき、花の中に黒い種が見えてきたら先端を切り取り、日陰に置いて種がこぼれるまで乾燥させてから、中の種をとり出して保存します。

ネギの栽培に関する書籍


Amazon:ネギの安定多収栽培

もっと長ネギの育て方について詳しく知りたい方には、「ネギの安定多収栽培」をおすすめします。

秋冬、夏秋、春、初夏どりから、葉ネギ、短葉ネギまで、ネギの栽培について余すことなく解説されてます。

用途に合わせて部分を使い分けよう

白い部分は淡色野菜で、緑の部分は緑黄色野菜です。

白い部分は鍋や炒めものなど幅広い用途に、緑の部分は薬味や下味に利用します。

両方をいっしょに食べると、バランスよく栄養が摂取でき、健康にもよい効果が期待できます。

ネギのぬめりは甘みとやわらかさ

ネギの白い部分を切ると、内側がぬるぬるとしています。

これこそがネギ特有の甘みとやわらかさのもとで、煮ると甘くトロリとした食感になるのはこのぬるぬるによるものです。

料理に合った切り方

ネギの独特のにおいは、さまざまな料理に旨みを加えてくれます。

斜めに切ると、断面が大きいので火が通りやすく、味が染み込みやすくなります。

ぶつ切りは、火は通りにくくなるものの、旨みを閉じ込めてくれます。

ネギの白い部分を4~5cmの長さに切り、中の芯を取り除き、繊維にそって極細く切り、水にさらしたものを、白髪のように見えることから、白髪ネギと呼び、シャキッと歯ごたえがよくなり、辛みも抜けます。

部位による使い分け

葉の部分は捨てられがちですが、この部分は緑黄色野菜で栄養価が高いので、できれば使いきりたいものです。

縦に切れ目を入れて開き、内側のぬめりを包丁でしごき取り、薬味やかき揚げに利用できます。

また、魚や肉を煮るときのにおい消しにもなります。

白い部分は、生では辛みがありますが、加熱すると甘みが増します。

生で利用したいときは、水にさらすと辛みがとれます。

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