スパイシーで爽やかな香りが特徴のバジル。
熱帯アジアからインド、アフリカを原産とするシソ科のハーブで、パスタやトマトと相性が良く、イタリア料理をはじめ世界各国で利用されています。
スパゲッティなどでおなじみの「バジリコ」はイタリア名で、日本名では、水に浸してゼリー状になった種を目の洗浄に使っていたことから「メボウキ(目箒)」と呼びます。
非常に多くのβカロテン、カリウム、カルシウムを含みます。
栽培では、バジルは生育旺盛で暑さに強く、草丈は30~60cm程度とあまり高くならないので、初心者にも育てやすいハーブです。
栽培でもトマトとの相性がとても良く、トマトと混作することで互いの生育を良くするとされています。
トマトを育てる際に一緒にバジルを育ててみてはいかがでしょうか。
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目次
バジルの栽培の概要
生育温度 | 生育適温は15℃~30℃で、暖かい気候を好み、暑さに強い。逆に寒さに弱く、霜にあたると枯れる。 | ||||
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連作障害 | あまりでない。 | ||||
おすすめの品種 | スイートバジルが一般的で育てやすい。 | ||||
元肥 | 元肥を入れる。 酸性に傾いた土壌を嫌うため、苦土石灰を施して良く耕しておく。 | ||||
種まき時期 (苗作り) |
4月中旬~5月中旬(暖かくなってから)。 | ||||
苗の植えつけ |
5月中旬~6月中旬(本葉が5枚、6枚になった頃)。 畝幅:90cm。 マルチ:しなくてもいいが、した方が管理が楽に行え、防寒対策にもなる。 株間:2列、25cm~30cm。 |
||||
栽培中の管理 | 生育の様子を見て、悪いようであれば、20日に1回くらいの割合で追肥を施す。 | ||||
収穫 | 蕾が開く前までに、先端を摘み取って収穫する。 | ||||
病害虫 |
主な病気:軟腐病、灰色かび病など。 主な害虫:アブラムシ、ハダニ、オンシツコナジラミ、ヨトウムシなど。 |
バジルの栽培のポイント
- 寒さに弱いため、暖かくなってから種まきを行う。
- 酸性に傾いた土壌を嫌うため、苦土石灰を施して良く耕す。
- 乾燥に弱いため、乾燥が激しい場合は水やりをする。
- 蕾が開く前までに先端を摘み取って収穫する。
バジルの種類
バジルには、一般的なスウィートバジル、レモンのような香りのするレモンバジル、シナモンの香りのするシナモンバジル、アニスの香りのするホラファバジルなど、多くの種類があります。
バジルの育て方
バジルは、自分で苗作りから出来るハーブです。
相性の良いトマトと一緒に育てることで、手間はほとんどかからず、初心者でも簡単に育てられます。
ただし、寒さに弱いので、暖かくなってから種まきを行い、気温が高くなってから植え付けることが大切です。
ここでは、互いに生育を良くするとされる、相性抜群のトマトとの混作による育て方を紹介します。
バジルの栽培時期
※種類や地域によって栽培時期は異なります。事前に確認してください。
バジルの苗を作る
ポットに培養土を入れて、種を5粒づつまき、土を薄く被せて手のひらで軽く鎮圧し、水をたっぷりやります。発芽までは乾燥に注意し、発芽後は毎朝に水やりをします。
発芽して本葉が1枚、2枚になった頃、生育の良い2株、3株を残し、他の株を間引きます。水やりを続けながら本葉が5枚、6枚になるまで育てます。
セルトレイやプランターなどで育てて、生育の良い株を畑に定植することもできます。
(セルトレイで育てたバジルの苗)
(プランターで育てたバジルの苗)
苗を植える
苗の本葉が5枚か6枚ついたころ、トマトの株間に植え付けます。
植え方は、畝に根鉢と同じ大きさの穴を掘ってたっぷり水をやり、ひくのを待ってから、根鉢を崩さないようにポットから苗を取り出し、植え付けます。
植え付けたら、まわりの土を株元に寄せて押さえて安定させ、水やりをします。
[植え付けの手順]
- 植え付け位置に根鉢と同じ大きさの穴を掘る(マルチ穴あけ器やスコップを使用する)。
- 植え穴にたっぷり潅水する。
- 水がひくのを待つ。
- ポットから苗を取り出して植え穴に植え付ける。
- 土を株元に寄せて押さえる。
- 水をたっぷりやる。
追肥と土寄せ
植え付け後、生育の様子を見て、生育が悪いようであれば、20日に1回くらいの割合で化成肥料を株元に施し、土を寄せます。
支柱を立てる
トマトの陰になると、ひょろひょろと伸び、風で倒れやすいので、その場合は支柱を立ててやります。
摘芯
背丈が15cm~20cmほどになったら、摘芯を兼ねて収穫すると、その下の側枝が出てきて、こんもりとした姿になります。
収穫
込み合ってきたら、茎ごとどんどん摘んで収穫します。
花が咲くと、養分をとられて風味が落ちてしまうので、蕾が開く前までに先端を摘み取って収穫します。
花が咲いたら
高温になると先端に穂が出て花芽がつきます。
花を咲かせると株の勢いが弱まり葉がかたくなるので、花芽が見えたらこまめに摘みとるようにします。
切り戻し
7月中旬くらいに、株を半分くらいまで切り詰めておくと、新芽が伸びて再び収穫できます。
収穫したバジルの保存方法
大量に収穫したバジルは、生のまま密封袋に入れて冷凍するか、乾かして細かく砕いて密封袋に入れて冷凍庫で保存すると、長期間利用することができます。
※生で冷凍したバジルは解凍すると変色しますので、凍ったまま使用します。