雨の多い日本の土壌では、石灰成分やミネラル分が流れやすく、土はどしても酸性に傾きがちです。
ところが、野菜のほとんどは酸性の土壌を嫌い、酸性度の強い畑では育ちが悪くなり、病気を引き起こすこともあります。
畑が酸性ではホウレンソウやインゲンなどは正常に生育しません。
そこで、有機栽培で土の酸度を中和させるには有機石灰を土に混ぜ込みます。
有機石灰は、貝殻や卵の殻、貝類の化石などを乾燥させ、砕いて粉にしたものです。
アルカリ分の含有量が比較的少なく、ゆっくりと効果が長く続くのが特徴です。
有機石灰は、堆肥や肥料といっしょに施しても問題ありません。
酸度の調べ方
土壌酸度の測定は市販のpH測定キットが便利です。
手順1
畑の四隅から土を採取します。
地表から5~10cmくらいの根が発達する部分の土を移植ゴテで取ります。
手順2
測定用のカップに土1対水2の割合になるように入れて混ぜます。
30秒したら、上澄みを容器に移します。
手順3
規定量の試薬を加え、栓をしてよく振ります。
手順4
液体の色を附属のカラーチャートと比較し、pH値を測定します。
有機石灰の施し方
有機石灰は効き目が遅いので、種まきや苗の植えつけの2週間前までには施しておきます。
1㎡あたり約200~400gを畝全体にすき込みます。
有機石灰は効果が長続きしますので、年に1回施せばじゅうぶんです。