有機・無農薬で野菜をつくってみよう

農薬や化成肥料に頼らない有機栽培が注目されています。

堆肥の作り方

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有機栽培でおいしい野菜を作るには、土づくりが重要です。

よい土でなければよい野菜はつくれません。

よくいわれる「肥えている土」とは、有機物をたっぷりと含んだ土です。

有機物を畑に入れることで、土壌生物が活性化され、土がふかふかになり、通気性や水もち、水はけのよい土ができます。

そのために欠かせないのが堆肥です。

堆肥づくりは、自分でつくるのは難しいと思われがちですが、じつは落ち葉や生ごみなど身近にあるもので簡単につくれます。

ここでは手軽な材料で簡単にできる堆肥の作り方を紹介します。

堆肥づくりに適した時期

堆肥づくりは、どの季節でも行えますが、適しているのは夏と冬です。

冬は気温が低いので、完成まで時間がかかりますが、材料となる落ち葉が容易に手に入ります。

夏は気温が高いので、完成までの時間が短くなります。

秋から冬に落ち葉を集めておき、夏場に雑草や野菜の残りを入れて堆肥を作るのもよいでしょう。

堆肥の材料になるもの

身の回りにある材料も堆肥になります。

水分の多いものは水気をよく切って乾燥させてから使います。

[落ち葉]
ケヤキやクヌギ、カエデなど、落葉広葉樹の落葉が最適です。
マツ、スギ、シイ、イチョウなどは、熟成に時間がかかるので向いていません。

[雑草]
刈り取った雑草です。

[もみ殻]
米を脱穀したときに出る米の殻です。
殻がかたくて軽いのが特徴です。

[おから]
豆腐をつくるときの大豆のしぼりかすです。

[生ゴミ]
家庭で出る生ゴミです。
卵の殻、貝類の殻、紙、ビニール、塩分の多い生ゴミなどは避けます。
じゅうぶんに乾燥させてから使用します。

[家畜ふん]
牛ふん、豚ぷん、鶏ふんなどです。
完熟したものを使用します。

落ち葉堆肥の作り方

畑にスペースがあるなら、ナラやクヌギの落ち葉を材料にして落ち葉堆肥を作るのがおすすめです。

ある程度スペースが必要で、手間もかかり、堆肥ができるまでに3か月~1年かかりますが、1度にたくさんの堆肥を作ることができます。

落ち葉堆肥を作るポイントは、微生物が活動しやすい環境を作ることです。

醗酵が始まると中心部は70℃を超え、病原菌や雑草の種も死滅するほどの高温になります。

場所によって温度や水分量は一定ではないので、全体をまんべんなく発行させるために上下を入れ替えます。

この作業を切り返しといって、1か月に1~2回行います。

黒っぽい色になり、腐敗臭がなくなってよい香りがしたら完成です。

手順1

落ち葉を30~40cmほど積み上げ、湿らせる程度に水をかけ、高さが半分くらいになるまで踏み固めます。

手順2

踏み固めた落ち葉に米ぬかをまんべんなくまきます。

手順3

米ぬかをまいたら、油かす、牛糞などを1~4cm程度、全体にまきます。

手順4

1~3を何回か繰り返し、ある程度の高さになったら、ブルーシートを被せます。

手順5

1か月に1~2回上下を入れ替えます。

気温の高い時期は3か月、気温の低い時期は10か月~1年でできあがります。

生ゴミ堆肥の作り方

手軽に堆肥を作りには、家庭から出るゴミを材料にして堆肥を作るのがおすすめです。

庭などのちょっとしたスペースに、市販されているコンポストなどの専用の容器を使えば、手軽に堆肥を作ることができます。

臭いが少々出ますが、毎日出る生ゴミを処分できるので便利です。

材料は生ごみのほかに、落ち葉や雑草、野菜の残さなども使えます。

手順1

生ゴミや落ち葉は、水分をじゅうぶんに切り、天日で乾燥させます。

大きい骨や貝殻、塩分の多いゴミは堆肥に向かないので取り除きます。

手順2

容器を設置し、生ゴミ→土→落ち葉→土の順に重ねます。

土を入れることで虫の発生や悪臭を防ぎ、土にいる微生物が生ごみの醗酵を促します。

夏場はハエが入り込んだり、悪臭が出やすいので、フタをきちんと閉めます。

手順3

夏なら3か月、冬なら半年ほどで堆肥ができあがります。

とり出して別の場所に移し、使用するまでブルーシートを被せておきます。

少量の堆肥づくり

少量であれば、ビニール袋を使った堆肥づくりがおすすめです。

落ち葉と米ぬか油かすなどをいっしょにビニール袋に入れたら、湿らせる程度に水をかけ、日の当たる場所に置いておきます。

半年~1年ほどで完成します。

堆肥の臭いの原因・臭いを消す方法

早いもので3か月、遅くとも半年から1年で完熟します。

完熟している堆肥は、腐敗臭はほとんどなく、黒ずんでぱらぱらとしています。

堆肥に臭いがあるというのは、まだ完熟していない証拠です。

まだ未熟なようでしたら、再度醗酵・熟成させましょう。

未熟堆肥はよくない?

堆肥の原材料がよく分解され、醗酵したものを完熟堆肥と呼びます。

その一方で、まだ分解・醗酵がじゅうぶんでないものを未熟堆肥と呼びます。

未熟堆肥を畑に入れると、土の中で醗酵が進み、温度が上がったり、ガスや有機酸が発生して苗の根を弱らせるなど、作物に障害が発生する恐れがあります。

完熟していない腐敗臭のする堆肥は使わないように注意しましょう。

堆肥の完熟の見分け方

未熟な堆肥は、手で握るとチクチクしたり、水分の蒸発が不完全で水分が出たりします。

そしてわかりやすいのが、臭いがすることです。

完熟した堆肥は、黒っぽい色になり、わずかに水分を感じる程度で、触るとポロポロと崩れ、腐敗臭がなくなってよい香りがします。

堆肥にも肥料効果があるの?

堆肥といっても、材料によって特性はさまざまです。

落ち葉やバーク(樹皮)など植物性の材料から作った堆肥は、土の水はけや通気性をよくしますが、肥料としての効果はあまり期待できません。

牛ふんや豚ぷんなど動物性の材料から作った堆肥は、肥料分に富んでいますが、植物性の材料と比べると土壌改良材としての効果はやや劣ります。

材料によって肥料成分が違うので、いくつか材料を組み合わせてつくると成分のバランスのよいものができます。

市販の堆肥

少量の場合や時間がない場合は、市販の堆肥を利用するのもよいでしょう。

ネット通販、ホームセンターや園芸店などで手に入ります。

すでに完熟しているので、すぐに使うことができるので便利です。

[牛ふん]
牛のふんを熟成醗酵させたものです。
豚ぷんや鶏ふんと比べてゆっくりと効きます。
葉もの野菜や実もの野菜に適しています。
施しすぎるとカリ分が過剰になるので注意します。

[豚ぷん]
豚の糞を熟成醗酵させたものです。
牛ふんよりも早く効きます。
肥料の効果が高いので、施しすぎないように注意します。

[鶏ふん]
鶏のふんを熟成醗酵させたものです。
肥料の効果が高いので、施しすぎないように注意します。

[ミックス堆肥]
牛ふん、豚ぷん、鶏ふん、バーク堆肥などがミックスされた堆肥です。

[バーク堆肥]
樹皮を原料とした堆肥です。
肥料成分は少なめなので土壌改良材として使用します。

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